2008年3月15日土曜日

エピクテートス『人生談義』

 趣味の一つに新聞、雑誌のスクラップがある。気に入った記事をクリアファイルに保存しているのだが、今日それを読み返していて、10年前の日経新聞の記事でエピクテートスの『人生談義』についてのものがあった。秋山駿氏のエッセイで人生論についてだ。当時感心したもので、以下少し長いがエピクテートスの言葉を引用してみよう。


 人生は軍務のようなものであるのを諸君は知らないか。或る者は歩哨をやらなければならないし、また或る者は戦うために出て行かなければならない。皆が同一の処にいることもできもしなければ、またより善きことでもない。だが君に何かもっと辛いことが課せられる時、君は将軍から課せられた任務を果たすのを怠って不平を言い、そして君に関している限り、軍隊がどうなるかということを理解していない。

 というのはもし皆が君のまねをするならば、人は塹壕を掘りもしないだろうし、また保塁をめぐらすことも、危険を冒すこともしないだろう。むしろ戦争の役に立たぬように思われるだろうからだ。(中略)
 ……各人の生活は戦役、しかも長く複雑な戦役のようなものである。君は軍人の本分を守らねばならない。
(『人生談義』鹿野治助訳 岩波文庫)

 武家の家訓を分かりやすく述べたような、ローマ時代の哲学者の言葉だが妙に胸を打つ。「各人の生活は戦役」であり、「人生は軍務のようなもの」というのはその通りだと思う。

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