今月読んだ本のことを書こう。
1.『円高の正体』(安達誠司 光文社新書)
2.『女子・結婚・男選び』(高田里惠子 ちくま新書)
3.『シドニー!』(村上春樹 文春文庫2冊)
1はデータの用い方が適格で説得力がある。説明が非常にわかりやすく名著だといえるだろう。
2は、期待していたほどではなかったが、まあ楽しめた。水村美苗と岩井克人、柄谷行人と冥王まさ子(この人は良く知らない)など、懐かしい名前が-ニュー・アカデミズムを思い出す-出てくるのだ。
3は、ロンドンオリンピックが近いのでずいぶん久しぶりだが再読してみた。オリンピックを「密度の高い退屈さの究極の祭典」と著者はいう。とことん退屈ではあるが、それを補うくらいに価値のあるものだったと。そうした、退屈さを通して感銘を与えてくれる祭典の、リアルタイムでの日誌は今読んでも新鮮だ。