2010年10月31日日曜日

大学センター試験の変更

 これは我が家には関係ないのだが、2016年度(現在の中学1年生が受験するセンター試験)から、難易度別に2種類の試験とすることが検討されているという記事があった。まだ検討段階だそうだが記事によると、

1.現段階で想定されているのは、試験科目を主に国公立大の志願者向けのものと、私立大向けの基礎科目型に分ける2種類とする。

2.センター試験は今年1月、800を超える大学・短大が利用し、約52万人が受験した。試験問題は平均60点水準で作られている。だが、成績分布のグラフが上位と下位の二つの山になっている科目もあるなど受験生の学力格差が広がる兆候が表れてきた。

3.難関大学ではセンター試験での結果で差がつかなくなり入学者選びに役立ちにくい一方、学力が一定程度に達していない受験生には問題が難しいという指摘も出てきた。同一試験で全体の学力を把握するのが難しくなっていると指摘され、早めに手を打つ必要が出てきた。

とのこと。

 まあ昔は国公立向けの一次試験だったが、今は私立も使うので問題は簡単になっているらしい。それでも正規分布にはならないというのは、改善する必要があるということでしょう。

『村上春樹のなかの中国』(藤井省三 朝日選書)

 週末は、先週末に続いて村上春樹の関連本を読んでいた。

 この本の中で著者は、中国を手がかりに村上作品を分析しているのだが、『風の歌を聴け』の冒頭の一節「完璧な文章などといったものは存在しない…」が魯迅のことばに触発されたものではないかと論じている。

 これは、初めて知ったのだが、なかなか面白い指摘だと思った。

 また、村上春樹の父についても書かれているのだが、「作家村上春樹の原点に父の世代の戦争体験がある」という推察も興味深かった。

 ところで、『ミステリマガジン』の次号(11月末発売)には村上春樹訳『リトル・シスター』の抄訳が載るそうだ。ということは、発売は12月か1月だろう。随分待った気がするが、やっと出るのは喜ばしいことだ。

2010年10月24日日曜日

『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』(文藝春秋)

 この週末に読んだ本だ。

 村上春樹へのインタビュー集なのだが、まとまったものとしてはこれが初めてだろう。

 なかなか面白かったのだが、海外のインタビュアーとは英語で行っていて、微妙なニュアンスがうまく伝わっていない場合もあるようだった。このあたりは仕方が無いのだろうが少し残念だ。

 印象に残ったのは、カズオ・イシグロを愛読していることだ(「新作が出たらすぐに買いに行って読みます。」とのこと)。まあこれは予想されることだが、実はカズオ・イシグロは日本語が「けっこう流暢に話せる。」と彼の妻から教えてもらったとあり、これには驚いた。(どこかで全く話せないと読んだことがあったのだ。)

 また、カズオ・イシグロについて、日本について書くときはまるで外国人が日本を描写しているような趣があり、英国的なもの-例えば貴族や執事-を書くとき、日本人の目を通して英国社会を見ているような趣がある、と述べている。
 これはまさにその通りであり、私も愛読しているこの作家の、この不思議な交錯する部分に引かれるという所に深く共感したのだ。

 

2010年10月17日日曜日

『団地の時代』(新潮選書)など

 10月に入って読んだ本のことを書こう。

・『団地の時代』(原武史・重松清 新潮選書)
 原武史氏の『滝山コミューン1974』が面白かったので読んでみたのだが、まあまあ楽しめた。個人的には、重松清氏ではなく、『郊外の社会学』(ちくま新書)の著者である若林幹夫氏との対談の方がよかった気がするが…。

・『戦時下日本の建築家―アート・キッチュ・ジャパネスク 』(井上章一 朝日選書)
 『夢と魅惑の全体主義』に関連して読んでみた。かなりの力作で、この作者にはやはり建築史についての著書を期待したい。これが絶版になっているのはどういうことか、全く理解できないが。

2010年10月10日日曜日

「キュイジーヌ フランセーズJJ」のこと

 この週末は妻と東京ミッドタウンに出かけて、キュイジーヌフランゼーズJJでランチをした。

 ここは初めてで、フランス料理は重たいのではないかと思っていたが、全くそんなことは無く、ソースがとても美味しくて感心した。

 シェフのジョエル・ブリュアン氏は有名らしいが、店内をぶらついたりしていて気さくな雰囲気だった。

 また、芝生広場で「日本の採れたて市」という催しをやっていた。試食しながら買えるのだが、なかなか盛り上がっていた。
 店の写真など貼っておこう。