2011年7月17日日曜日

夏目漱石 『こころ』、シェイクスピアのことなど

 息子が高2なのだが、いま夏休みだ。国語については宿題があって、夏目漱石の『こころ』がテキストとのこと。

 『こころ』といえば高校の教科書の定番だ。高校1年で『羅生門』(芥川龍之介)、高校2年で『こころ』と『山月記』(中島敦)、高校3年で『舞姫』(森鷗外)というのが定番らしい。

 どの作品も「利己主義はいけない。」という道徳的な教え方ができるのが共通点だろうか。その中でも『こころ』は売れ行きはダントツだろう。新潮文庫の累積発行部数も一位だ。

 息子の学校では教科書を使わないので、その他の定番教材が取り上げられているか分からない。まあ課題図書としてでもあっても、こうしたロングセラーは是非読んでほしいものだ。

 ところで、昨日は『思想としてのシェイクスピア』(本橋哲也 河出ブックス)を読んでいた。今月の日経新聞「私の履歴書」が小田島雄志氏なこともあり、シェイクスピアの関連本を読んでみたのだ。また、これから『ヴェニスの商人の資本論』(岩井克人 ちくま学芸文庫)を久しぶりに読む予定だ。

2011年7月3日日曜日

7月の読書 

 最近読んだ本だ。

1.『歎異抄』(阿満利麿 ちくま学芸文庫)
2.『大学の下流化』(竹内洋 NTT出版)
3.『生物学的文明論』(本川達雄 新潮新書)

 1は著者による詳しい解説があり、なかなか清新な解釈が味わえる。2は、この著者の本はつい買ってしまうのだが、このブログにも書いた昨年1月日経新聞連載の「日本型大衆社会の誕生」と併せて読むと、教養主義にかわって大衆主義が世を覆っているという著者の主張が納得できる。また、書評も面白いのだが、井上章一氏の史学を評する「いけず」史眼というのは初めて聞いた。そうか、関西ではこう言われているのか……。

 3は今日読んだのだが、サンゴ礁やナマコなどの生態の話が非常に面白い。同じ著者の『ゾウの時間ネズミの時間』はかなり前に読んだのだが、引っ張り出してこちらも久しぶりに読んだ。両書とも、最後に著者作詞作曲の歌が載っていることろは、さすが「歌う生物学者」というところで楽しめる。