2009年12月27日日曜日

12月の読書-チャンドラーなど

 12月は何かと忙しく、このブログも大分空いてしまった。

 今月は、主にR・チャンドラーを読んでいた。村上春樹氏が『リトル・シスター』を早く訳してくれないかと思いつつ、『高い窓』、『プレイバック』、『湖中の女』を読んだのだ。

 チャンドラーはミステリ小説の書き手としては、実に傑出していると-勿論以前からだが-感じた。小説は本質的に、放恣な夢でありしかも(ここが大事)魂の告白という面を持っている。(丸谷才一氏)

 チャンドラーの書く物語も、村上春樹が評している通り、「魂の交流の物語であり、(中略)人の抱く美しい幻想と、それがいやおうもなくもたらすことになる深い幻滅の物語なのだ。」(『ロング・グッドバイ』)

 たかがミステリと馬鹿にはできないだろう。こうした人々の琴線に触れる面が無ければ、これほど長い間多くの読者を魅了し続けることはできないと思う。

2009年11月29日日曜日

銀杏並木の黄葉など

 11月下旬になるとイチョウの黄葉が楽しみだ。田園調布駅近くの銀杏並木がきれいに色づいていたので、写真を撮ってきた。

 帰りに、くまざわ書店で『東京大学 エリート養成機関の盛衰』(橘木俊詔著 岩波書店)を買ってきた。 日経新聞の書評に載っていて、面白そうだったのだ。橘木氏は経済学者だが、近年の著作は興味深いものが多い。

 銀杏並木の写真を何枚か貼ろう。


2009年11月22日日曜日

映画 「クイーン」

 最近観た映画だ。映画館では見逃したのだが、BSジャパンで放映していたので録画したのだ。

 ダイアナ元皇太子妃の事故死の際の、イギリス王室の舞台裏を描いた作品だが、予想通り面白かった。エリザベス2世を演じたヘレン・ミレンの演技は圧倒的で、主要映画祭(ヴェネチア国際映画祭やアカデミー賞等)の主演女優賞を軒並みさらったのも当然という気がする。

 主役はクイーンとブレア首相で、その他の登場人物がステレオタイプ(王室内保守派、反王室派など)に描かれているのが気になるが、大きなマイナスではない。

 アカデミー賞を受賞したときは、エリザベス2世とブレア首相から祝意が表されたとのことで、それもうなずける感じがする。

 印象的だったのが、スコットランドのバルモラル城(王室の夏の休暇地)のシーンで、宮殿と広大な敷地をいつか訪ねてみたいものだ。

最近の読書

 最近読んだ本について書こう。

1.『スプートニクの恋人』(村上春樹 講談社文庫)
 スウェーデン出張の、行きの飛行機の中で読んだ。まあまあ面白かったが、主人公-小学校の教師-があまり上手くかけていない気はした。最後の方の、スーパーの警備員とのやりとりにR・チャンドラーを髣髴させる所があり、そこは印象に残っているのだが。

2.『アフターダーク』(村上春樹 講談社文庫)
 これはスウェーデンからの帰りに読んだ。三人称に「私たち」という一人称複数が加わる、いささか実験的な小説だ。印象に残ったのは、小さなバー(ジェイズ・バーを微かだが想起させる)でのシーンで、ベン・ウェブスターやデューク・エリントンの音楽(CDではなくレコードだ)が流れる店と、初老のバーテンダーの描写はさすがに上手い。

 その他、これから読もうと思っているのが橘木俊詔氏の著書で、
『東京大学 エリート養成機関の盛衰』(岩波書店)他だ。

 また、井上章一氏が日経新聞書評で推薦していた、
『日本ひらがな仏教史』(大角修 角川書店)も面白そうなのだ。

2009年11月14日土曜日

スウェーデンのことなど

 今月初めから、仕事でスウェーデンに出張していた。主にストックホルムにいたのだが、この時期のスウェーデンは寒く(最高4℃、最低0℃くらい)、コートが必要だった。
 
 最後の半日ストックホルム市内を観光したのだが、この時期は観光客は少なく、市庁舎(ノーベル賞受章者の記念晩餐会が開かれる)も空いていた。

それにしても、日本からストックホルムへの直行便が無いのは何故だろうか?フランクフルト経由で行ったのだが、結構疲れた。

 せっかくなので写真を何枚か貼ろう。(左上:市庁舎外庭、左下:王宮、右:市庁舎の塔)





 

2009年10月25日日曜日

エコポイントのことなど

 6月に我が家ではTVを買い換えた。エコポイント対象だったので、百貨店共通商品券と図書カードを7月中旬に申請した。

 今日、図書カードがやっと届いた。初めてのシステムとはいえ、3ヶ月以上というのはあまりに遅いだろう。苦情が多いのか、エコポイント事務局のHPには「1ヶ月から2ヶ月程度かかる」とある。

 我が家では、申請書類に不備が無いか事務局に確認したが、そんなことはなかった。購入時にすぐポイントがつく量販店と違うのは分かるが、次回(があるのかは不明だが)からは改善してもらいたいものだ。

 息子の学校は、昨日も学園説明会だった。前の週末の2回は、来場者が千人を超えていたとのこと。そういえば、昨日妻と新宿高島屋に出かけたのだが、帰りに塾のカバンを持った受験生と、その保護者を見た。2月1日まであと3ヶ月位だが、インフルエンザに注意して頑張ってください。

 

2009年10月24日土曜日

札幌ドームのCS

 今週、仕事で北海道に行ったのだが、22日に札幌ドームでクライマックスシリーズを観戦することが出来た。

 札幌ドームは初めてだったのだが、東京ドームよりずっとよかった。東京ドームは古いので比べるのは酷かもしれないが。

 また、日本ハムのファンの応援は礼儀正しくて、これも新鮮だった。まあ良く知っているのが阪神なので、どこのチームもそう感じるのかもしれない。

 岩隈で負けた楽天は後がなくなった。順調なら日本ハム対巨人の日本シリーズだが、その際は日本ハムを応援したい。携帯で撮った写真だがせっかくなので貼っておこう。


 

2009年10月18日日曜日

英国式足裏マッサージなど

 今日は田園調布駅ビルの「イングリッシュ・ガーデン」に行ってきた。ここは英国式足裏マッサージ(リフレクソロジー)の店で、毎月1度行くのが楽しみなのだ。

 いつものように途中で寝てしまうのだが、以前、別の店ではあまりうまくない担当だと、寝るどころではないことがあった。この店はそういうことが無く安心できる。

 終わると、これもいつものことだが、くまざわ書店に寄る。参考書のコーナーでは、中学受験らしき親子がいた。「算数の問題が……」などと話していた。2人ともマスクをしていたのは、インフルエンザ対策だろう。

 小学生向けのワクチンは12月から1月頃だろうか。今年の受験生は大変だと思う。そういえば、息子の学校は昨日、今日と学園説明会だった。皆さんマスクをしていたのだろうか?
  
 我が家では、前に書いたように息子が新型インフルエンザになった。これでワクチンは不要だろう。私は、まわってくれば受けようと思っているが、どうなるでしょう。

2009年10月17日土曜日

『やがて哀しき外国語』 村上春樹

 この週末読んだ本だ。単行本と文庫本両方あるのだが、後者にした。「文庫本のためのまえがき」もあるし、寝転がって読むにはやはり便利だ。

 この本では、「大学村スノビズムの興亡」が気に入っている。プリンストンでの「大学人かくあるべし」という規範というか暗黙の制度についてのエッセイだが、実に面白い。

 新聞はNYタイムズがコレクト(正しいこと)。ビールは輸入ビール(ハイネケン、ギネス等)がコレクト、バドワイザーとかミラーはインコレクトであり、「大学人は…クラシックでインタレクチュアルなビールを飲まなくてはならない。」ことになっている。

 村上春樹は、ローカル新聞を購読(週末だけNYタイムス)していて、ビールはバド・ドライが好きだという話をした時の反応が、いかにもという感じで楽しめる。
 
 しかしこの本を読むと、村上氏は大学で教えるのが、イメージとは逆に結構合っているのではという印象を受ける。そういえば、両親とも国語の教師という家庭で育っている(父親は、前にも書いたが、甲陽学院の先生だった)。まあ日本ではまず先生にはならないという気はするが。

2009年10月11日日曜日

「ブレードランナー」とアメリカ国立フィルム登録簿

 今日は久しぶりに映画「ブレードランナー」を観た。去年の3月以来だ。(このブログにも書いていた。)

 この映画は何度観ても素晴らしい。伝統的なフィルム・ノワール-都市の孤独と法と欲望の葛藤を描く-であり、またSFという作品だが、映画史上の記念碑的作品であることは間違いない。

 そういえば、この映画はアメリカ国立フィルム登録簿(米国内のフィルムを、国の責任で永久保存するために選定・登録する制度。1989年より開始され、文化的、歴史的、芸術的に重要なフィルムを毎年25本ずつ選定していく。)に1993年に登記されている。

 昨年までに500本のフィルムが登録されているが、アメリカ映画の名作だけでなく意外な作品もあって興味深い。

 初年には「カサブランカ」、「市民ケーン」、「博士の異常な愛情」などが登録されていて、私の好きな「ストレンジャー・ザン・パラダイス」は2002年に、「明日に向かって撃て!」は2003年に入っている。日本にこうした制度が無いのが残念だ。

2009年10月10日土曜日

「ビゴの店」など

 今日は、妻と午前中に玉川高島屋に出かけた。前にも書いた「ビゴの店」などに寄ったのだが、連休のためか割りと混んでいた。

 ミニシュークリームとクロワッサンとピザを買った。パンはもちろんのこと、お菓子も美味しい。黒糖ラスク一袋をおまけに付けてくれたし、この店はなかなか良い。

 ところで、息子の学校は新型インフルエンザで休校になったため、来週予定されていた中学の修学旅行が延期になってしまった。

 まあ休校4日間分を考えると、この措置もやむを得ないか。先生方もこうした事態は初めてだろうし、対応は大変だろう。そういえば今月は学園説明会もあるし、休む暇が無い先生もいるのでは。

2009年10月9日金曜日

新型インフルエンザなど

 息子の学校は先週末が運動会だったのだが、週明けから今日まで学校閉鎖になってしまった。息子も先日ついに発熱した。

 中学・高校生の間では猛威を振るっているらしい。まあ今かかっておけば、症状はそんなに重くならないし、免疫もできるだろう。

 私と妻は今のところは大丈夫なようだ。ワクチンが回ってくるのはいつになるか分からないし、移らないように注意するしかないか。

 ところで、高校生まではワクチンの優先接種があるようだが、浪人生にはないとのこと。それ位配慮しても良いと思うのだが…。受験生のいるご家庭は大変だろう。がんばってください。

2009年10月4日日曜日

ハヤカワ文庫「強い物語」

 ハヤカワ文庫では、昨年に続いて「強い物語」というフェアをやっている。

 このフェアの小冊子を本屋で入手したのだが、体裁は昨年と殆ど同じだ。今年は、「読書メーター」という読書量を管理するWEBサイトが紹介されている。こちらはなかなか面白そうだが…。

 前にも書いたのだが、早川書房には頑張ってほしいと思っている。HPにある、このフェアのブログには興味深い記事が載っている。

 個人的には、村上春樹によるチャンドラーの新訳が早く読みたいのだ。今年中に出るだろうか?いやそれは無理かな。楽しみだなあ。

2009年10月3日土曜日

村上春樹 雑感その5

 『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』も好きな小説だ。「世界の終り」と「ハードボイルド・ワンダーランド」が交互に展開していくのだが、後者だけを読んでも十分楽しめる。最近はこのやり方で読んだりもしているのだ。
 
 この作品は谷崎潤一郎賞を受賞した。選考委員は丹羽文雄、遠藤周作、吉行淳之介、丸谷才一、大江健三郎の5氏だ。丹羽氏、遠藤氏は反対、吉行氏は「受賞に、私はやや消極的」であり、丸谷氏と大江氏が賛成している。

 丸谷氏は「村上氏はリアリズムを捨てながら論理的に書く。」と的確に批評している。また、「この甘美な憂愁の底には、まことにふてぶてしい、現実に対する態度があるだろう。」とも言っているが、これも非常に鋭い。世間から距離を置いている職人であればこそ、カルト・ライターになれるのだろう。

 また、大江氏は「冒険的な試みをきちょうめんに仕上げる、若い村上氏が賞を受けられることに、すがすがしい気持ちを味わいます。」と評している。大江氏がこんな風に褒めていたとは……。カルト・ライターはカルト・ライターを知る、というところだろうか。

2009年9月27日日曜日

井上章一 『法隆寺への精神史』

 この本は今は絶版だ。今年のゴールデンウィークは図書館で借りて読んだのだが、このシルバーウィークにAmazonで古本を購入した。

 何故こんなに面白い本が絶版なのかよく分からないが(同じ弘文堂から出た『つくられた桂離宮神話』は講談社学術文庫に入っている)、あまり一般受けはしなくて売れなかったのかもしれない。

 エンタシス(円柱の中央部に膨らみをつけて立体感を付ける技法)のギリシャ起源論など、法隆寺論の歴史的変遷を丹念に追った本だが、日本文化論として秀逸だと思う。

 ただ残念なのは、著者自身の法隆寺論が展開されていないことで、この点は批判されたのか『伊勢神宮』では自らの神宮像を語っている。

 著者は関西ではTV番組に登場しているらしいが、関東でも是非見てみたいと思っているのは私だけではないだろう。(これは期待できないか。)

 

2009年9月26日土曜日

村上春樹 雑感その4

 村上春樹が『風の歌を聴け』で『群像』新人賞を取ってデビューしたのは、1979年のことだ。個人的には、この小説が最も気に入っている、というか愛着がある。

 「29歳の春の昼下がりに、神宮球場の土手式の外野席に寝ころんでいて」「突然何かが書きたくなって、新宿の紀伊國屋で万年筆と原稿用紙を買ってきた。」とある。(『村上春樹全作品1979-1989①』の作者による解説「台所から生まれた小説」)

 最初の何ページかは英語で書いて、それを日本語に訳すという形で進めたらしい。文章とチャプターが断片的なのはそのためだろうか。
 平野芳信氏の要約を少し引用しておこう。

 「恋人に死なれた大学生の僕は夏に帰省していた。ある日馴染みのジェイズ・バーで、女性が泥酔しているのを介抱する。彼女は親友の鼠の恋人らしいが、彼との仲がうまくいってないらしい。彼女がレコード店で働いているのを知った僕はそれとなく鼠に教えるが、二人の仲は好転しない。鼠は僕に彼女のことを相談しようとする。しかし、彼女は宿していた子供を中絶してしまう。同じような経験を持つ僕は、居たたまれない気持ちになり…(中略)。虚しく全てが終わり僕は東京に戻った。」

 <鼠>と<僕>の関係は、チャンドラーの『長いお別れ』のマーロウとレノックスをイメージしたらしが、「あんまり似ていない。」と言っている。まあ雰囲気は伝わってくるのだが。

 これほど上手くリアリズムから離れた、とういうか自由な小説が現れたのは、文学界にとってエポックメイキングな出来事だっただろう。芥川賞を取れなかったのは、今となればどうでもよいこととはいえ、少し残念な気がするが。
 

2009年9月25日金曜日

村上春樹 雑感その3

 村上春樹と陽子夫人は学生結婚だ。知り合ったのは、大学の最初の授業で隣り合わせになったこととか。

 ところで、陽子夫人の出身校は、四谷の雙葉ではないかと書いてあった(ような気がする。)
 確かに、「妻の実家は文京区」で「カトリックの女子校から来た」とのことで、『ノルウェイの森』の緑は夫人がモデルではないかとどこかで見たが、小説を読むと緑が四谷の雙葉出身であることはすぐ分かる。

 まあカトリックの女子校は、他にも聖心とか白百合とか田園調布雙葉などあるので何ともいえないが、可能性は高いと思うのだ。

 近い将来に、村上氏が世界的に有名になるかもしれない。その時これまで表に出ることが殆ど無かった(写真集『風のなりゆき (a‐tempo)』がある位か)陽子夫人も注目されるでしょう。

2009年9月23日水曜日

村上春樹 雑感その2

 国分寺でジャズ喫茶「ピーター・キャット」を開店したのは、村上春樹氏25歳の時だ。この店は国分寺南口から左に少し行った所にあった。地下1階なのだが、地下に降りる階段は今もある。

 「スペイン風の白い壁、木製テ-ブルと椅子が品よくレイアウトされた店内は<ジェイズ・バー>をほうふつとさせる」というこの店には、残念ながら行ったことが無い。大学に入学した年まであったのだが、その時にはもう千駄ヶ谷に移っていた。

 前にも書いたが『TOUCH』という写真週刊誌が村上春樹を特集した時、店内での夫妻の写真が載っている。村上氏29歳の時らしい。陽子夫人は猫の絵(ピーターキャットと描いてある)のセーターを着ていて、村上氏は猫(ミューズ?)を抱いている。二人とも若い(まあ当然か。)

 もう少し国分寺にあったら、行く機会もあったと思うと少し残念な気がする。いずれ伝説の店?になるのだろうか。

 

村上春樹 雑感その1

 最も好きな作家の一人に村上春樹がいる。今回からしばらく、村上春樹について書くことにする。

 村上春樹は京都の伏見生まれで、小学校入学前に西宮市に移っている。これは、父親が甲陽学院の国語の教師として赴任したためだ。

 甲陽学院といえば、兵庫では灘と並ぶ進学校だ。灘より堅めの校風だと思うが、「教育者の家庭で育ったから、わりと厳しく育てられた。」とのことだ。

 国文学専攻らしい父親への反発からか、外国文学へ傾倒していったらしいが、個人的には「本はつけで買えた」という環境をうらやましく思ったものだ。「中学1年の時、『赤と黒』に感動しました。少年向きの本は一切読まず……早熟だったんだ。」というインタビューがあったが、読書量は半端ではなかったろう。

 1浪後、早稲田文学部に入学するわけだが、早稲田を選んだのは親元を離れたかったからだろうか?まあ、地元にいたままでは、作家村上春樹が誕生したかどうかは分からない。いやどこにいても作家or翻訳者になった可能性はあるような気はするが。

2009年9月22日火曜日

休日の百貨店

 昨日は、妻と玉川高島屋に行った。「ビゴの店」でレモンのパウンドケーキを買ったりしたのだが、ここのチョココロネとクロワッサンが妻のお気に入りだ。

 また、今日は新宿高島屋に出かけた。ここでは、「エール・エル」でワッフルを買ったのだが、味もそうだが、毎月新作が出ているので妻は時々寄るらしい。

 昨日、今日共に高島屋は割りと混んでいた。シルバーウィークで、遠出をしない人たちが来ているのだろうか?妻の買い物中にブラブラした紀伊國屋書店はそうでもなかったのだが。新宿の紀伊國屋は、久しぶりだったが、やはり品揃えが充実していて良い本屋だ。

 

2009年9月20日日曜日

浅間神社など

 昨日は、田園調布のくまざわ書店に行ったのだが、その前に多摩川浅間神社に寄った。ここは鎌倉時代に創建されたものだそうだが、行くのは初めてだ。午前中のせいか殆ど参拝者はいなくて、こじんまりとした良い雰囲気の神社だった。

 本殿は浅間造というらしく、社殿の上に別の社殿が乗った二階建ての建築様式だ。屋根には千木(ちぎ)と勝男木(かつおぎ)がある。(最近、井上章一『伊勢神宮』を読んだので、こういったところに敏感になっているのだ。)

 くまざわ書店では、石原千秋の新刊『名作の書き出し』(光文社新書)、『国語教科書の中の「日本」』(ちくま新書)などを立ち読みした。石原千秋はここ数年すごい勢いで本を出している。まるで小谷野敦のようだな……。まあ小谷野氏より売れているとは思うが。

 浅間神社の写真(本殿と神社からの丸子橋)を貼っておこう。




 

2009年9月12日土曜日

自由ヶ丘 「はらドーナッツ」

 今日は、いつものように午前中に妻と等々力紀ノ国屋に出かけ、帰りに自由ヶ丘に寄った。

 自由ヶ丘では、「はらドーナッツ」で買い物をしたのだが、ここのドーナッツは豆乳とおからを使用していて、神戸に本店があるそうだ。行列が出来ていたし人気があるらしい。

 最高気温が23℃と涼しい日で、久しぶりに雨が降った。もう残暑も終わりだと感じたがどうだろうか。

 店の写真を貼っておこう。




 

2009年9月6日日曜日

『和の思想』 長谷川櫂(中公新書)

 今日読んだ本だ。この作者の『「奥の細道」をよむ』(ちくま新書)が面白かったので、買ってみたのだ。

 「異質なものを調和させ、新たに創造する「和」」についての話で、まあよく言われている日本文化論なのだが、俳句、和歌が数多く紹介されているのがよかった。

 欲を言えば、もう少し厚い本ならなお良かったのだが。中公新書はある程度のボリュームがないと満足できない気がするのだ。 

 

2009年8月30日日曜日

『世界は分けてもわからない』 福岡伸一

 この週末は福岡伸一『世界は分けてもわからない』を読んだ。もっと前に買おうと思っていたのだが、8月末になってしまった。

 期待通り面白かったのだが、特に印象に残ったのが、「ランゲルハンス島(膵臓にある)」と「ソルビン酸(保存料)」の話だった。
 
 これを読んで、村上春樹『ランゲルハンス島の午後』を久しぶりに読み直したのだが、生物の教科書を忘れて家に取りに戻ったこの話は、すっかり忘れていた。まあ読んだのは、もう20年以上前のことだからだろうか。

2009年8月23日日曜日

夏の旅行

 21日から23日まで、家族で盛岡に行ってきた。この時期の盛岡は湿度が低く、最高気温も26度くらいと快適だった。

 小岩井農場に足を延ばしたのだが、この「小岩井」という名前は、3人の創業者(小野、岩崎、井上)の頭文字からつけたのは初めて知った。

 また、羊館で羊の歴史を詳しく知ったのだが、『羊をめぐる冒険』(村上春樹)を思い出したりして、とても興味深かった。

 いくつか写真をアップしよう。(小岩井農場2枚、北上川と岩手山)






 

2009年8月14日金曜日

「ロテスリー・レカン」のことなど

 今日は家族で、銀座の「ロテスリー・レカン」でランチを食べた。お盆で空いているかと思ったのだが、ほぼ満席だった。人気があるのだろう。

 ここは、銀座レカンの姉妹店だが、カジュアルな雰囲気で本格フレンチを愉しめる。

 曇っていて蒸し暑い日だったが、銀座は賑わっていた。観光客らしい外人もいた。今思い出したが、去年のお盆にも銀座に出かけている。このブログにも書いていた。

 料理はというと、私が選んだメインは美味しかった。「あいなめ、天然海老、帆立貝のムニエル 八甲田高原乾燥とうもろこしのリゾット添え クレームドシャンピニオン」だ。

 店と銀座の写真を貼っておこう。





 



 

2009年8月12日水曜日

『裏声で歌へ君が代』と最近話題の事件など

 今日はお盆で休みだ。久しぶりに『裏声で歌へ君が代』丸谷才一著を読んだ。読み応えのある長編をゆっくり読むのは良いものだ。

 この小説では国家論が様々に議論されるのだが、その中にこういう意見が出てくる。

 「民衆が、民衆を、民衆のために統治する民主主義は、結局のところ大衆社会というものにいきついてしまうでしょう。大衆社会とは、一言で言えば、あくどい娯楽を民衆が待ち望んでいる社会です。…(中略)治めることと治められることを同一人物が2つするというのは話に無理があります。…古代的な、少数者による政治のほうが、うまくいくような気がします。」

 最初に読んだ時から、ここは印象に残っていた。後半はともかく、前半はそういう一面があることを否定できないと思う。

 最近の、世間を賑わせている事件はそのよい例ではないだろうか。いや個人的には、この事件ではピエール・ブルデューのいうハビトゥスや文化的再生産を強く感じたのだが。

2009年8月11日火曜日

『東京スタディーズ』のこと その2

 前回に続き、『東京スタディーズ』の「郊外を切り裂く文学」についての感想を書こう。

 この中で石原千秋氏は、住んでいる地域にある3つの小学校について次のように言う。(一部表現を変えている。なおB、C小学校がニュータウン内にある。)

 「地元住民が通学する平地にあるA小学校、主に賃貸住宅の住民が通学する丘の中腹のB小学校、主に分譲マンションと戸建て住宅の住民が通学する丘の頂上にあるC小学校がある。その学区がみごとにバームクーヘン型に区切られていて、学力も土地の高低と比例している。階層、学歴、収入、成績、そういった様々な要因がこの学区を規定している。」

 著者は、同じニュータウンにある賃貸マンションから中古マンションを購入して移っている。つまり丘の中腹から頂上へ移動した訳だ。

 しかし、小学校の学力差について明確に分かるものだろうか?これが書かれた時は、まだ学力テストは実施されていなかったし、いや実施されても学校毎の平均点は公表されないはずだ。教育委員会に知り合いがいたのだろうか?「学力が土地の高低と比例している。」と言い切っているので根拠はあるのだろうが、少し腑に落ちない感じがする。

 まあ著者の息子は桐朋中学に入っているのだが、しかしそんなに「バームクーヘン型」にきれいに分かれているものだろうか?という気はするのだが。
  

2009年8月9日日曜日

『東京スタディーズ』など

 この週末は、『東京スタディーズ』(吉見俊哉・若林幹夫編著 紀伊國屋書店)を読んだ。

 この中に収録されている石原千秋氏の「郊外を切り裂く文学」が面白そうだったからだが、読んでみて、それなりに楽しめた。

 「屹立する郊外」-都心に建つ超高層マンションのこと-については、あまり書かれていなくて残念だった。『郊外の社会学』(若林幹夫)に言及があり期待していたのだ。

 印象に残ったのは、著者が出かける地元の秋祭りについてだ。住んでいるニュータウンの納涼祭は隅々まで明るく「祭り」には似合わない、地元の祭りは適度に暗さがあって良いと書いた後に次のように言う。

 「僕たちが営む生活が身体によって生きられている以上、暗さは是非必要なものだ。身体は明るさも暗さも内包する一つの小宇宙だからだ。ポストモダンと呼ばれた時代の建築の多くが空間の中に暗さを演出したのは、こういう理由があったのだろう。」

 ここでの身体論は市川浩を参考にしているのか?よく分からないが、ポストモダン建築は、まあその通りかもしれない。
 

2009年8月2日日曜日

日経新聞 文化面 十選シリーズ

 今度は、文化面に連載されている十選シリーズのことを書こう。

 このシリーズも-カラーになってからは特に-愛読しているのだが、先月の「海辺の情景 十選」はなかなか良かった。

 浅井慎平の写真「SANTA MONICA 1982」やヘンリー・ミラーの絵が特に印象に残った。

 また最近、この十選シリーズでマティスが登場すると、切り抜いて保存しているのだ。まだ3点だが、これから増えるのが楽しみだ。

2009年8月1日土曜日

日経新聞 「私の履歴書」

 日経新聞の「私の履歴書」を長年愛読している。全ての月を熱心に読んではいないが、これまで印象に残っているのは、白川静氏(1999年12月)、水木しげる氏(2003年8月)、北杜夫氏(2006年1月)、篠原三代平氏(2009年6月)あたりだろうか。

 自慢話が多少鼻につく、という月は流し読みをするのだが、先月の加山雄三氏もそういう感が少しあったような気がする。まあ数多いファンの方は、堪能されたのだろうと思うが。

 ところで、今月は芦田淳氏だ。この方も、もちろんファンが多いだろう。どうなるかは分からないが、初回を見ると、何やらいやな予感がしないではないが…。

高校野球 大阪7強のこと

 今、高校野球は地方予選をやっている。もうあまり興味は無いのだが、今日大阪予選が決勝だったので、昔の大阪7強のことを思い出した。

 大阪7強とは、小学校の頃の大阪の強豪のことで、次の7校だ。

1.北陽(現 関大北陽)
2.大鉄(現 阪南大高)
3.PL学園
4.興国
5.浪商(現 大体大浪商)
6.近大付
7.明星

 春・夏の甲子園で、北陽と大鉄は準優勝が最高だが、他の5校は全て優勝経験があるのだ。こうしてみると、3校が校名が変わっている。最近は、大阪桐蔭とか履正社、金光大阪などが強豪で勢力図も大分違っている。

 甲子園の試合では、何となく関西勢を応援してしまうのは、こうした記憶があるためだろうか…。

2009年7月26日日曜日

井上章一 『伊勢神宮』

 今日は午後から出かけて、くまざわ書店で『伊勢神宮-魅惑の日本建築-』(井上章一著)を買った。とても暑かったのだが、この本が買えて暑さも吹き飛んだ?気分になった。

 この本は、妻からの図書カードのプレゼントで購入したのだ。いつもながら、妻には感謝している。

 著者については、建築史関連の本はもう出さないのかと思っていた。800枚超の大作だ。この夏に読むのがとても楽しみなのだ。

三浦展氏のこと

 この週末は、三浦展氏の対談集『格差社会のサバイバル術』を読んだ。この中では、本田由紀氏、香山リカ氏との対談が印象に残った。

 以下、この二人との対談での三浦氏の発言をいくつか記しておこう。

1.データをみても、男性は正社員でないと結婚するのは難しい。少子化を解決するには、男性の正社員を増やすか、「私が夫を養う」という女性を増やすかだが、まずは男性の正社員化のほうが現実的である。

 
2.中曽根元総理の小泉自民党への発言の引用
 「昔の日本人は、地域や社会、家族にしっかり属した”粘土”のようなものだった。でも今は、そういうものから離脱して”砂”のようになった。”砂”のようになった国民には、小泉君のようなポピュリズムがいちばんいい。」

3.ヤンキーは、リアルなコミュニティが基盤にある。下流ではない。コミュニティから離れ、砂のようになった存在の代表が下流。典型は、郊外の1戸建てのマイルームに引きこもっているタイプ。

4.高度成長期には、「消費」することが、単に自己の満足だけではなく、日本の復興や成長という”大きな物語”に参加することだった。しかし70年代に入って、ある程度社会が豊かになってくると、”大きな物語”というよりも、自分の身の周りの暮らしを豊かにする消費に、欲望の対象が縮小した。さらに欲望の対象が縮小していって、最後に残ったのが「自分」だった。(物語がないと自分を上手く説明できないので、「自分とは何か」を掘り下げていく。)
 

 →少子化対策で、男性正社員を増やすというのは、確かに短期的には効果があると思う。「大きな物語の終焉」は、リオタールからの引用だろうが、「自分らしさへのこだわり」の理由として説得力がある。

2009年7月20日月曜日

夏の愛読書

 この週末から学生は夏休みだ。通勤電車が空くのはありがたいと、この時期になると思うのだ。

 ところで、毎年夏になると読む本があり、今回はこのことを書こう。

1.『大統領の密使』 小林信彦著 ちくま文庫

 1970年の夏を舞台にした、オヨヨ大統領シリーズの1作を長年愛読している。「”戦後”という時代への一種の鎮魂曲(レクイエム)」というこの名作が何故絶版なのか-これは前にも書いたが-どうしても理解できない。

2.『風の歌を聴け』 村上春樹著 講談社

 これも1970年の夏の物語だ。(8月8日から8月26日)。初めて読んだのは、高校生の時で初版を買った。講談社英語文庫の英訳を持っているのだが、これは絶版だ。こちらはあまり売れなかったのか…。

3.『パパは神様じゃない』 小林信彦著 ちくま文庫

 この本の、「夏の父親」と「またしても夏」、「夏の終わりに」の章を愛読している。1972年と73年なのだが、葉山の海岸、特に学生キャンプストアの描写は何度読んでも良い。残念ながら、これも絶版ですね。

国際数学オリンピック

 今年の国際数学オリンピックは、日本は過去最高の2位だった。(これまでの最高は6位)

 6人中5人が金メダルというのは、快挙だろう。特に副島君は3年連続金メダルで、今回は満点での金だ。満点は2人で、ついに世界のトップになった。

 彼の父親は、昔仕事の関係で、少し知っていたのだ。そういえば、算数オリンピックでも金メダルだったし、才能は昔からだな。このまま数学界で大成して、例えばポアンカレ予想を解決したグリゴリー・ペレルマン(彼も数学オリンピックでは満点の金メダル)のようになって欲しいものだ。

2009年7月19日日曜日

『日本のメリトクラシー』竹内洋

 この週末は『日本のメリトクラシー』竹内洋著を、図書館で借りてきた。

 前から買おうと思っているのだが、まだ家に無いのだ。

 この本の最後に、昔疑問に思った注釈(調査からの知見)が載っており、それも買っていない理由の一つだ。(この注釈はあえてここには書かないが。)

 しかし、私の会社の幹部に、常に本を平行して6冊~7冊読むという読書家がいる。だいぶ以前にこれを知った時、この知見は例外が多いのではと感じた。

 こうした例をいくつも知るようになってからは気にならなくなったのだが、まあそれはともかく、この本の最終章「結論 日本のメリトクラシー」は非常に示唆に富んでいる。とくに、日本では試験が「精神の官僚制化」をもたらすという指摘は鋭いと思うのだ。

2009年7月12日日曜日

新宿高島屋など

 今日は、妻と新宿高島屋に買い物に行ってきた。靴など買ったのだが、心なしか空いていたような気がした。やはり不況の影響だろうか?

 いつものように紀伊國屋書店に寄ったのだが、息子の学校の先生が、国語の本を出していたので立ち読みした。

 これが、良い内容で感心した。長文読解問題が2題載っているのだが、志望する受験生には非常に参考になるだろう。

 これまで、記述が多いこの学校は解答を発表したことはない。入試問題とは違うとはいえ、設問は同様の内容であり、模範解答と解説が載っている。かなり話題になるのではないだろうか。

 息子はといえば、この夏は、国語の卒論の準備で忙しいか。頑張ってほしいものだ。

2009年7月11日土曜日

大平正芳氏のこと

 最近、中公新書『大平正芳』を読んで、この政治家のことを少し調べている。

 大平氏の「楕円の哲学」-互いに相反する2つの中心を対峙させ、両者が作り出す均衡の中に調和を見つけようとする態度-や、語録「人間は強くないし、また愚かでもある。そういう諦観がありますな、私には。しかし、そこでとどまってはいかんわけで、いずれ枯れる朝顔でも毎日水をやるでしょう。そういう気持ちを大事にしたい。」などには惹かれるものがある。

 氏の大学の卒業論文「職分社会と同業組合」は、昔大学の頃読んで感心した記憶がある。内容はすっかり忘れてしまったが。(論文の概要はこの本に紹介してある。)

 今後も、少しずつ研究してみようと思うのだ。まあ時間に余裕があればだが。

庄司薫 『狼なんかこわくない』

 この週末読んだ。何年ぶりか忘れたが、とにかく久しぶりだった。(文庫旧版が家にあるのだが、文庫新装版を買ったのだ。)

 昔-高校生の頃-庄司薫には夢中になった。『喪失』をはじめ『赤頭巾ちゃん気をつけて』などの4部作や、この『狼なんかこわくない』は何度読んだか分からないくらいだ。

 今回読んで思ったのは、解説にもある通り、これは政治学のテキストとして使えるということだ。

 また、印象的だったのは、御厨貴氏の解説にある、「東大駒場(政治学)でのゼミ合宿で『赤頭巾ちゃん』4部作を取り上げたところ、学生たちは文庫新装版ではなく、古い単行本や文庫旧版の本を家から持ってきた。また庄司薫にファンレターを出した学生の母親もいた。」というエピソードだ。

 こういう親たちの息子、娘が東大生になるという、文化資本の再生産のよい例だなと納得してしまうのだ。

 ところで、我が家にも文庫旧版は揃っているのだ。いつか息子が読む日がくるだろうか……。
 

2009年7月5日日曜日

角川文庫 夏の100冊

 夏になると、早川書房のフェア「夏のブックパーティー」のことを書いていたのだが、最近はやっていない。

 ここ数年は、角川文庫のフェアでブックカバーをもらっているのだ。2冊買うともらえるのだが、今年は『怪談・奇談』(ラフカディオ・ハーン)と『偶然の祝福』(小川洋子)にした。

 ラフカディオ・ハーンは随分昔読んだ記憶があるのだが、結構面白いので驚いた。『雨月物語』の「菊花の約」、「夢応の鯉魚」と共通する話もあり興味深かった。

 小川洋子は『博士の愛した数学』ぐらいしか読んでいなかったのだが、この短編集はなかなかの出来でしょう。ところどころ村上春樹を想起させる文章がある-大切にしているもの、慈しんでいるものの消滅といったテーマに、共通しているところがあるからだろうか-。

ウィンブルドンテニスのこと

 ウィンブルドンは、今日が最終日で男子シングルス決勝だ。

 先週末に、大学時代の友人7名と河口湖に遊びに行って、その時テニスを-10年振り位に-したのだ。さすがに感覚を取り戻すのに時間がかかったが、まあまあの出来だった。

 そういえば、クルム伊達が今年のウィンブルドンに出場した。京都出身で、四ノ宮クラブで腕を磨いた彼女を、昔見たことがある。まだ小学生だった。また、1989年にウィンブルドンに初出場した試合-アメリカのジーナ・ガリソンが相手-を留学中に観戦した。端のコートで観客は少なかった。その試合は負けてしまったが、あの時サインをもらっておけばよかったな。

 あれから20年経って、現役に復帰するのはすごいことだ。京都の誇りだと思うのだ。

遠藤周作 『肉親再会』

 この週末は遠藤周作の短編『肉親再会』を読んだ。

 石原千秋氏の本の中に、この短編の一部から出題した入試問題が載っており、原作を前から読もうと思っていたのだ。

 『最後の殉教者』(講談社)の中に入っていて、図書館で借りてきた。

 1961年に発表されており、この頃遠藤氏は体調を崩していたので、書かれたのはその前年辺りか。フランス(リヨン大学)に留学しているし、1959年には夫人とフランスに旅行しているので、パリの描写はさすがと思わせるものがある。

 「かつて生活のために芸術(絵画)を諦めた兄が、まだ俳優になる希望を捨てていない妹に会うことで、かつての自分を見つめ直す物語」(石原千秋)なのだが、この中に出てくる中世美術館-これはクリュニー美術館のことだろう-の「木彫の基督像」はとても印象に残った。

 ルーブルとオルセーは、昔留学していた時に行ったのだが、クリュニーはまだ観ていないい。いつか必ず行きたいものだが、どうなるでしょうか。

2009年6月14日日曜日

『ヤンキー文化論序説』のこと2

 昨日やっと読み終わった。とても面白かったので感想を書こう。

・時代のマス人気は常にヤンキーによって作られる(酒井順子)
・日本人の5割は「銀蠅的なもの」を必要としている(ナンシー関)

 まず、この2点は印象に残った。(本当かどうかは別だが)
 
 ハッキリ言って、個人的にはヤンキーには何の興味も無い。しかし、ヤンキー文化の裾野がかなり広いらしいことは確かだろう。

 また、ナンシー関が「芸能界を支配する美意識の大部分がヤンキー的なものから出来ている」ことを指摘し、そのことから、「我々の日常のかなりの部分がヤンキー的な美意識によって覆われている」(斉藤環)のではないかとの感想も、大雑把すぎる指摘だとは思うが、妙に説得力があると感じたのだ。

2009年6月7日日曜日

『ヤンキー文化論序説』など

 この週末は、妻と新宿高島屋で買い物などをして過ごした。

 高島屋では、いつものように妻が買い物中に紀伊國屋書店でブラブラしていた。やはりここは広くて良い。

 井上章一氏が褒めていた『ヤンキー文化論序説』(河出書房新社)を買おうと思ったのだが、うまく見つけられなった。

 今日、くまざわ書店に問い合わせると、在庫があった!!ので注文したのだ。読むのがとても楽しみだ。この本は、今日の日経朝刊の「春秋」でも紹介されていたし、結構売れているのではないだろうか。

2009年6月6日土曜日

阿修羅展のこと

 昨日は妻と東京国立博物館 平成館の「阿修羅展」に行ってきた。

 午前中の割と早い時間に着いたのだが、やはり長い行列ができていた。1時間位並んだのだが、曇りで暑くなくあまり苦にはならなかった。横にいたおじいさんは落語(多分)を聞いていたし、年齢不詳の男性は『百万ドルをとりかえせ!』を読んでいた。

 中に入ると、人は多かったが八部衆像、十大弟子像などじっくり観賞できた。阿修羅像(八部衆像の一つ)は、近くで観ることができなかったのは残念だったが、3面がよくわかり満足できた。

 興福寺にはまだ行ったことがないのだ。今度是非寄りたいものだ。
 平成館の入り口の写真を貼ろう。


 

2009年5月24日日曜日

『さよなら、愛しいひと』 R・チャンドラー

 この週末は、村上春樹訳の『さよなら、愛しいひと』(レイモンド・チャンドラー)を読んだ。この本を最初に読んだのは、確か大学に入った年だったと思う。ハヤカワ文庫(『さらば愛しき女よ』)でだ。チャンドラーは大学1、2年くらいに熱中したのだが、最近は読むことが無かった。

 村上春樹訳で、『ロング・グッドバイ』とこれを読んで、昔チャンドラーに夢中になっていた頃を思い出したよ。この新訳は、今年の読書界で最大の収穫の一つだろう。

 次は、『リトル・シスター』を訳す予定とのことで、とても楽しみだ。できれば、チャンドラーの長編は全て訳して欲しいと思うのは、私だけではないだろう。

2009年5月17日日曜日

新型インフルエンザ

 新型インフルエンザは、いよいよ国内で感染が広がり始めたようだ。まあ海外で感染しても、初期段階(発症前)であれば検疫をくぐり抜けるだろうし、ある程度広まるのは防げないだろう。

 今回の新型インフルエンザは、毒性があまり強くないのでそれほどパニックになっていないが、これが鳥インフルエンザだと大変だろう。また秋には、「新型流行第2波」がくる可能性もある。新型、季節性の両方のワクチンを早く作って欲しいものだ。

 ところで、新型、季節性の両方のワクチンは大量には作れないとのことだ。1994年から、予防接種が義務から任意になったこともあり、現在はメーカーが4社しか無いためらしい。(化学及血清療法研究所/北里研究所/阪大微生物病研究会/デンカ生研)
 
 つまり、新型用を作るなら、季節用分を減産しないと対応できない。簡単に増産できないのなら、輸入してでも備えるべきだと思うが…。

2009年5月16日土曜日

「ラ・クープ」のことなど

 今日は家族で「ラ・クープ」で昼食をとった。奥沢にあるこじんまりとしたフランス料理店なのだが、人気があるらしく全てのテーブルが埋まっていた。

 ランチのコースは、しっかりした味でとても美味しかった。奥沢の駅から直ぐの、住宅街の入り口にあるのが不思議な気がする。

 妻、息子もとても気に入ったらしく、また行きたいものだ。入り口の写真を貼ろう。

2009年5月10日日曜日

「モンサンクレール」のこと

 今日は、妻と等々力紀ノ国屋に行った後、自由ヶ丘の「モンサンクレール」に寄ってきた。

 ここには、ケーキを取りに行ったのだが、いつものことながら店内は混んでいた。今日は特に、母の日だからということもあるのだろうか。

 ケーキは-私の誕生日ケーキだ-は美味しかった。自由ヶ丘の洋菓子といえば、やはりここでしょうか。

 いきなり暑くなった日だったが、最近は毎年こんな感じかもしれない。夏が暑いのは、まああまり苦にはならないのだが。

2009年5月6日水曜日

「マティスの時代」のことなど

 連休最後の今日は、ブリジストン美術館で「マティスの時代」を見てきた。

 10時開場直後に入ったので、まだそんなに混んでいなかった。マティスの作品は15点くらいで、ルオー、マルケ、ブラックなどのフランスの作家たちの作品も紹介している。

 マティスの中では、「青い胴着の女」と「縞ジャケット」がよかった。また、マルケの「道行く人、ラ・フレット」という-風景画だが-作品も非常に印象に残った。こういう絵が家にあれば…と思うのは、まあいつものことなのだが。

 同時にやっていたコレクション展示もとても良かった。「印象派から抽象画まで」と題された130点だが、空いている中、じっくり鑑賞できたのは幸運だった。

 夕方は、WOWOWで「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」をみた。もちろんB級コメディーなのだが、財務官僚役の阿部寛がなかなか良い。官僚には見えないのだが、なんとなく納得してしまうのは才能があるのだろうか。

2009年5月5日火曜日

文化祭のこと

 今日は、妻と息子の文化祭に行ってきた。午前中だったので、人もまだ多くなく、雨もそうでもなかった。今年は息子の友達が泊まりに来たりして、文化祭中の我が家は賑やかだった。

 帰りに学校近くの公園を通って、「テオブロマ」でお茶をしてから帰ってきた。ここは初めて行ったのだが、チョコレートがなかなか美味しかった。

 公園とテオブロマの写真を貼ろう。


 

2009年5月1日金曜日

GWの読書 その2

 前回に続いて、今度は感想など書こう。

1.『人形の誘惑-招き猫からカーネル・サンダースまで』(井上章一 三省堂)

 この本では、カーネル・サンダース人形の章が面白かった。サンダース人形といえば、阪神タイガース優勝(1985年)の際に道頓堀川に投げ込まれたものが、今年3月に見つかって話題になった。このサンダース人形を、各店舗の店先に置いてあるのは日本だけとのことだ。
 また、関西では5月頃、サンダース人形に鎧、兜を着せて五月人形風にするらしい。「サンダース武者人形」というらしいが、これははじめて聞いた話だ。
 「招福人形の伝統史」とでもいうだろうか、印象に残った本だが、絶版なのが惜しまれる。

2.『キリスト教と日本人』(井上章一 講談社現代新書)

 日本人がキリスト教をどう受容してきたのか、新説や奇説からその歴史を辿っている。著者と同じ洛星中学・高校出身としては、色々興味深いエピソードなどあって楽しめた。
 天守閣=天主教(キリスト教)起源説や、由比正雪・大塩平八郎のキリシタン説、仏教がキリスト教起源説orその逆など、資料の収集は-いつもながらだが-よくこれだけ集めたと感心する。

3.『法隆寺への精神史』(井上章一 弘文堂)
 
 これは今読んでいるので、感想は追って。

4.『喋るぞ-闘う文化人の学問のすすめ』(旺文社)

 この本も絶版だ。10年前の出版だし仕方ないか。この中で井上章一は、『美人論』を出版して間もない頃のためか、中・高校時代は女性と殆ど話したことが無いというエピソードを紹介している。そういえば、京大に入って最初のデートでは、古本屋に入った(そして相手の女性に嫌われた?)というのも聞いたことがある。また、浪人中は地元の予備校(近畿予備校だろうか)に通ったとか、まあどうでもいい話もあるのだが、とても楽しめたのだ。 

2009年4月30日木曜日

GWの読書

 今年のGWは、井上章一の本を読もうと思い、以下の本を買ったり図書館で借りたりした。

1.『人形の誘惑-招き猫からカーネル・サンダースまで』(井上章一 三省堂)
2.『キリスト教と日本人』(井上章一 講談社現代新書)
3.『法隆寺への精神史』(井上章一 弘文堂)
4.『喋るぞ-闘う文化人の学問のすすめ』(旺文社)

 この内、4は井上章一のインタビューが入っているので借りてきた。とても面白かったのだが、感想はまとめて書くことにしよう。

 尚、この本には高田万由子も出ているのだが、東大入試は帰国子女枠なのか、センター試験は理数が不要で!!、フランス語、日本史、国語の3教科で受け、2次試験(後期試験)も理数は無かったらしい。
 また、塾、予備校には通わず、参考書も使わなかったとのこと。ゲームのノリで受験して全て合格とか、まあ反感を買うことをこれでもかと言っている。
 当時の帰国子女枠入試は、たまたま数学が無かったのだろうか。それにしても、いかがなものかと思うのは、私だけではないだろう。大体、東大入試(文系)の2次試験で差がつくのは数学で、受験生は必死に取り組んでいるというのに…。

2009年4月19日日曜日

映画 『ボディ・ダブル』

 昨日、WOWOWで映画『ボディ・ダブル』をやっていたので、懐かしくて録画して今日久しぶりに観た。

 デ・パルマ監督のB級映画だが、ヒッチコックの『裏窓』や『めまい』の手法の引用がとても多く、結構楽しめるのだ。

 特に、主人公がショッピングモールで尾行するところや、ビーチでのシーンは『めまい』のカメラワークの忠実なコピーだ。ここが個人的には最も気に入っている。

 その他、主人公の視線と、それを見る本人を切り返す手法など、これほどヒッチコックを意識した映画は他にないだろうと思う。B級サスペンスとして映画史に残る?のではないだろうか。

2009年4月12日日曜日

『学歴分断社会』(吉川徹 ちくま新書)

 これは、先々週読んだ本だ。この中で印象に残ったのは、竹内洋氏が「ご破算型」と呼ぶ、日本の受験システムだ。

 「ご破算型」とは、大学入試で「清算」しないと、受験の途中経過(中学受験、高校受験)は有効にならないシステムをいう。以下に解説を引用してみよう。

 例えば、難関の○○中学に合格したAさんは、大学入試は失敗してあまり知られていない大学に進学したとする。そしてBさんは、地元の公立中学、公立高校を経て、一流といわれる大学に進学したとする。

 この場合、Aさんは自分の中学入試の輝かしい結果を「達成学歴」として使うことができるだろうか?逆にBさんは12歳での途中経過について、Aさんに引け目を感じることがあるだろうか?

 つまり、受験の世界での中学・高校の「ブランド力」の優劣は、「大学進学力」によって決まるのだ。

 最近私立の難関中学に入っても、早いうちから通塾する割合が高まっているらしいが、上記を考えると、分からないでもない。まあ我が家は、高2あたりから本格的にやれば良いと思っているのだが。

2009年4月8日水曜日

千鳥ヶ淵での花見

 4月5日(日)に、妻と千鳥ヶ淵へ花見に行ってきた。10時位に着いたのだが、まだ早いためか空いていて良かった。

 満開で、少し散り始めていたが、ちょうど見ごろだった。風がなく、天気が良いというのは花見には最高だな。

 何枚か写真を貼っておこう。また、昼は銀座に出て、「ピエール・マルコリーニ」でお茶をした。ここはチョコレートで有名な店だが、パフェを食べた妻は美味しかったと言っていた。




 
 

2009年4月4日土曜日

『グレート・ギャツビー』、『ロング・グッドバイ』

 この週末に読んでいる本だ。どちらも村上春樹の訳で、前から読もうと思っていたのだが、やっと実現した。

 『グレート・ギャツビー』(スコット・フィッツジェラルド 中央公論新社)は野崎孝氏訳(新潮文庫)と比較すると、「現代に生きている話でなくてはならない」との言葉通り、今の時代に甦った、リズム感のある見事な訳だ。
 冒頭と、結末は特に力を入れたとのことだが、その通りの名訳となってると思う。次は、『夜はやさし』を是非訳してほしいものだ。

 『ロング・グッドバイ』(レイモンド・チャンドラー 早川書房)も、これまた素晴らしい訳で、あとがきも含めてチャンドラーファンは必読でしょう。

 今度『さらば愛しき女よ』が、『さよなら、愛しい人』の題の村上春樹訳で出るらしい。これも読むのがとても楽しみだ。

 ところで、村上春樹はこれまで巡り合った最も重要な本として、この2冊と『カラマーゾフの兄弟』を挙げている。最近光文社の古典新訳文庫では、亀山郁夫氏訳で全5巻累計100万部を超えるベストセラーとなっているが、これも村上氏の影響が大きいことは間違いないと思うのだ。 

2009年3月28日土曜日

塚田正夫九段の詰将棋

 趣味の一つに詰将棋がある。その中でも、塚田正夫九段の詰将棋が好きで、著作を収集してきた。

 塚田九段の作品は、解図意欲を起こさせる美しい実戦型の短編が特徴だ。「塚田流」として一世を風靡して、多くの作家に影響を与えた。

 作品の中で、『塚田詰将棋第2集』(近代将棋昭和27年1月号付録)を長年探してきたのだが、先週アカシア書店でついに発見した。もう見つかることは無いと思っていたので-10年以上かかった-夢かと思ったほどだ。

 最も有名な作品のひとつを、以下に書いておこう。塚田正夫記念碑にも刻まれている九手詰だ。
・玉方:11香、21桂、31銀、22玉、14歩、24歩
・攻方:34金
・持駒:飛車、銀、桂各1

2009年3月21日土曜日

野球WBCのこと

 WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が盛り上がっているようだ。

 まあアメリカではそうでも無いらしいが、オープン戦を大規模にしたような?この国際大会は、日本では-前回優勝したこともあり-TVの視聴率は高い。

 しかし、予選1次、2次ラウンドのトーナメントは、ダブルエリミネーション方式という一種の敗者復活戦で、日本は7試合中韓国と4試合も対戦した。これはどう考えても多いだろう。興行的な要請があってのことだろうか…。

 もし決勝で対戦すると5度目だ。アメリカ、ベネズエラは日本、韓国ほど熱心ではないので可能性は十分ある。決着をつけるには良いかもしれないが、毎回これだと、そのうち飽きられるのではと心配だな。

『漱石』 三浦雅士 岩波新書

 最近読んだ本だ。

 夏目漱石関連の新書はつい買ってしまう。これは漱石が生涯抱えた苦悩-母の愛を疑い、その疑いを覆い隠す-を手がかりに、作品を貫く「心の癖」を読み解くという意欲作だ。

 三浦雅士といえば、ニューアカを誕生させた(といわれる)編集者として有名だが、これまで著作を読んだことは殆どなかった。(『メランコリーの水脈』くらい)

 今度は、著者の『青春の終焉』や『出生の秘密』を読んでみたいと思わせる、また、漱石を読み直してみようと思うような優れた批評だろう。

2009年3月15日日曜日

スタンダール『赤と黒』など

 今日は、昨日に続いて蔵書の整理をしていた。

 海外文学のコーナーを入れ替えたりしている時に、スタンダールの『赤と黒』を発見した。
『パルムの僧院』等があるのは分かっていたのだが、これは実家に置いてきたと思っていたのだ。

 息子の春休みの宿題で、国語は候補13作の中から複数を読むというのがあるのだが、その中に『赤と黒』も入っている。せっかく家にあるのだから、読んで欲しいが、中2では少し早い気がする…。

 その他の候補作は、
・『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』(村上春樹)
・『三四郎』(夏目漱石)
・『楡家の人々』(北杜夫)
・『吉里吉里人』(井上ひさし)
・『銀河鉄道の夜』(宮沢賢治)
・『魔の山』(トーマス・マン)など。

 長編が多いが、春休みは長いので良いかもしれない。『魔の山』も、中2で読むのはすごいが…。昔、北杜夫に刺激を受けて読んだが、確か高2だった記憶がある。まあ早熟な生徒が多いということだろうか。

2009年3月14日土曜日

ブログのテンプレートのこと

 このブログのテンプレートを今日から変更した。

 前のも悪くはなかったのだが、気分転換に変えてみたのだ。Googleのテンプレートは、種類はそう多くないのだが、シンプルでよいと思う。

 昨日から、息子は友達と旅行に行っている。期末試験も終わって、羽を伸ばしている?ことでしょう。

 今日、朝のうちはすごい風雨だったが、昼前に妻と等々力紀ノ国屋に行った頃は、雨もやんでいた。午後は蔵書の整理などをして過ごしたのだが、どんどん本が増えるのは-これはしょうがないのだが-困ったものだ。

2009年3月8日日曜日

将棋 A級順位戦最終局

 3月3日はA級順位戦最終局だった。

 毎年この日を楽しみにしていて、全ての対局が終わる深夜まで見ているのだ。

 今年は、谷川先生が負ければ降級という初の事態で、この大勝負が最大の関心事だったが、夜の放送開始(23時)前に勝負は終わっていた。(順当に谷川先生の勝ち)

 また、挑戦者争いは、郷田九段があっさり勝って決定。降級者は鈴木八段と深浦王位で、深浦王位はこれで3度目だが、何故B級1組から上って直ぐ落ちるのかよくわからん。よっぽど縁がないのだろうか。羽生にはあんなに強いのに、不思議なものだ。三浦八段は今回もそうだが、落ちそうになっても、いつも助かっているのに…。

2009年3月1日日曜日

川崎駅前のこと

 今日は、ある用事があって、息子と川崎に行った。
 
 久しぶりに、川崎駅西口方面を歩いたのだが、すっかり変わっていて驚いた。道路が整備されて、高層マンションがあるなど、別の街かと勘違いするほどだ。

 帰りに、息子と駅ビル(ラゾーナ)の文房具店に寄った。ここは品揃えが充実していて、なかなか良い。隣接する本屋(有隣堂)もかなり大きな感じだったし、たまに行くのもよいかもしれない。まあ降りる機会は殆どないのだが。

2009年2月28日土曜日

『都会の花と木』(田中修 中公新書)

 これも最近読んだ本だ。

 近頃、植物に興味が湧いてきたのだ。休日妻と等々力紀ノ国屋に行くと、買い物を待っている間、花屋をのぞいたりしているのだが、知っている花を見ると欲しくなってくる。

 この本を読んで、ソメイヨシノは何故いっせいに咲くのか等、恥ずかしながら知らないことがよく分かった。

 特に、ヤマブキと太田道灌の逸話は初めて知ったが、これだけでもこの本を買った価値があるような気がしたのだ。

2009年2月22日日曜日

竹内洋 『丸山眞男の時代』 中公新書

 これも先週読んだ本だ。

 同じ作者の『教養主義の没落』と同じ中公新書だ。中公新書は、昨今の新書ブームでレベルが落ちる出版物も多い中で、高いレベルを保っている。それにしても、口述筆記の省エネ本を、新書で出すのは止めてほしいものだ。

 竹内氏の著作は、前から愛読している。同じ丸山眞男についての『丸山眞男』(苅部直 岩波新書)も感心した記憶があるのだが、個人的にはそれ以上に秀逸な出来栄えだと思う。

井上章一『日本に古代はあったのか』

 これは先週、読んだ本だ。

 日本に古代はなく、有史は中世史として始める。飛鳥時代も奈良時代も中性だ、という井上章一の主張は非常にユニークだが、説得力がありとても面白かった。まあ学界で受け入れられることはないだろうが…。

 中世を鎌倉時代から始め、近世を事実上江戸時代と同義とする、作者のいう関東史観に対する対抗意識は相当のものだ。

 第14章の「司馬遼太郎よ、お前もか」での作者の嘆きには同意できた。井上氏には、これからも頑張ってほしい、そうエールを送りたくなる名著だと思う。

2009年2月14日土曜日

007の映画など

 先週はずっと、アメリカ出張だった。ANAで往復したのだが、ビジネスクラスは空いていて快適だった。不況のためだろうか。

 往復の機内では、映画などを観たりした。「007 ロシアより愛をこめて」と「007 私を愛したスパイ」だ。

 007での第2作と第10作だが、初期の名作で、久しぶりに観たが楽しめた。それにしても、ショーン・コネリーのボンドは適役だと-ずっと前からだが-思うのだ。

2009年2月7日土曜日

中学入試のこと

 今週末で中学入試も終わりだ。受験生の保護者の方、お疲れ様でした。

 年々応募者が増えているので、中堅校でも競争は激しい。第1志望校には、首都圏だと3割位しか通らないという。

 息子は今中2なのだが、当然ながら試験期間中は学校は休みだ。
 そういえば、学校のHPに合格発表のことが出ていた。そうか、番号を書いた掲示板は、ああやって吊るすのか…。まあどうでもよい話ですが。

 去年は、このブログで書いたように、旅行に行ったのだが、今年はどこもいかなかった。来年は、是非行きたいものだが。

2009年1月24日土曜日

ユリイカ 『村上春樹を読む』など

 最近買った本について書こう。

1.『村上春樹を読む』(ユリイカ増刊号)
2.『学歴・階級・軍隊』(高田里惠子 中公新書)

 1は、2000年の発行だが、買いそびれていたのだ。目黒の有隣堂でユリイカのフェアをやっていたので購入した。川本三郎の対談位しか面白いのはなかったが、まあこれだけでも良いとしよう。

 2は、「高学歴兵士たちの憂鬱な日常」という副題の通り、旧制高校出身の学徒兵達の軍隊生活についてのものだ。期待していた程ではなかったが、(『グロテスクな教養』が面白かったので)この作者の本はつい買ってしまう。

2009年1月18日日曜日

センター試験のこと

 今週末は大学センター試験だった。54万人も受けるとは、一大イベントだな。さて去年のブログでも書いたが、今年は英語と国語(現代文のみ)を解いてみた。

 結果は英語175点(200点満点)、国語81点(現代文で100点満点)だった。

 去年の国語は92点だったので、下がってしまったが、まあまあでしょうか。英語は比較的良く出来たが、時間を計っていないし、そんなに難しくはないからだろう。

 息子は中2だ。まだ大学受験は先のことで、中高一貫ということもあり、そろそろ中だるみの時期かもしれない。
 
 まあ高校になったら、頑張ってもらいましょうか。

2009年1月17日土曜日

自由が丘ロールのことなど

 今日は、妻と午前中、いつものように等々力紀ノ国屋に行った後、自由ヶ丘に寄った。

 「自由ヶ丘ロール」に行くと、行列が長くてびっくりした。10人位いて、店内が狭いので6人は外に並んでいた。

 まあ今日はそんなに寒くなかったので良かったが、寒風吹きすさぶ中だと、大変だったろう。こんなに人気があるとは知らなかったが…。

 ここはロールケーキの店だが、スコーンも美味しいのだ、4種類くらい買ってきたが、楽しみだ。

2009年1月12日月曜日

ルピシア ティースクール、村上春樹

 今日、妻は自由ヶ丘の「ルピシア」のティースクールに行った。ここは、毎日お茶に関する講座を開いている。ティースクールの他に、ティーサロンもあるとのこと。

 ミルクティーの講座で、10名位の参加者だったらしい。これからは、よりおいしい紅茶が飲めるでしょう。とても楽しみだ。

 私は、先週から気になっていた、村上春樹のモーツァルトについてのコメントを探していたのだが、やっと今日見つかった。以下に書いてみよう。(『シーク&ファインド 村上春樹』 青銅社)

 「いろんなイヤなことがあると、最近はモーツァルト聴くと洗われますね。モーツァルトを聴いていると、現実に起こっていることというのは非常に次元が低いことであって……こんなこというと、隠居みたいだな。」

 モーツァルトがストレス解消になるというのを、どこかで言っていた記憶があったのだ。これは、どこからの引用か書いていないが、おそらく川本三郎との対談だと思う。

2009年1月11日日曜日

明治神宮のこと

 今日は、妻と明治神宮に行ってきた。少し遅い初詣だ。

 昨日は風が強くて寒かったのだが、今日は風が無く、穏やかな晴れの日だった。

 11日だし空いているかと思ったが、すごい人で驚いた。場所柄か、若い人と外人が多かった。

 前に書いた「清正井」(清正の井戸)にも寄ってきた。ここも10人位並んでいた。パワースポットとして知られているのだろうか。

 氷の彫刻展をやっていたので、この写真を貼ろう。今年の干支の牛のものだ。


 

2009年1月4日日曜日

正月の読書

 この正月に読んだ本を書こう。

1.『大統領の晩餐』(小林信彦 ちくま文庫)
2.『臨死体験 上・下』(立花隆 文春文庫)
3.『闊歩する漱石』(丸谷才一 講談社文庫)

 3冊とも、蔵書から引っ張り出して読んだのだ。1は、オヨヨ大統領シリーズでは『大統領の密使』と並んで最も好きな本だ。このシリーズが絶版というのは、どう考えてもおかしいでしょう。

 この正月は、もっと長編を読もうと思っていたのだが、結局無理だった。今度の連休は是非読みたいものだ…。

目黒川/御成橋のこと

 今日は、妻と外出した帰りに、目黒川の御成橋に寄ってきた。

 ここは、ドラマ「結婚できない男」に何度も登場していた橋で、前から行こうと思っていたのだ。

 夜はライトアップされて、放水もされるらしい。せっかくなので写真を貼ろう。また、青い橋は御成橋の近くの鈴懸歩道橋で、ここも何度も登場していた。


2009年1月1日木曜日

今日は元旦

 これを読んでいる皆様、明けましておめでとうございます。

 今年は帰省せずに、家にいる。帰省しないのは息子の中学受験の時以来だ。
 まあ、あの時は大変だったが、今年はのんびりできている。

 年賀状を見たり、年末に買った本などを読むのはリラックスできてよい。せっかくなので、これまで積んでいた長編なども一挙に読んでみようか…と思っているのだ。

 3が日は天気が良さそうでなによりだ。初詣は少し遅れていく予定だが、今日は富士山も良く見えたし、気分良く1年を始められたと思う。