2011年2月21日月曜日

受験シーズン

 2月は受験シーズンだ。

 息子の学校は、2月1日(入試日)から3日(発表日)まで休みだった。中学入試は終わったが、この時期に受験生親子を見ると、息子の中学入試を思い出してしまう。もう4年前で、断片的な記憶しか無いのだが。また、今週25、26日は国立大学の入試だ。

 このブログの読者に、来年は中学受験という方がいるかもしれない。そんな方に、ささやかだが、幾つかアドバイスしてみよう。

1.中学受験は通過点に過ぎない
 これは当然のことだと思うだろうが、渦中にいるとなかなか認識できないものだ。先は長いのだから、長期的な視点を持つことが大事だ。

2.家庭の文化資本、社会関係資本が重要
 これも当たり前だと感じるかもしれない。それはその通りなのだが、良質な情報を得るには、社会関係資本(友人、知人とのネットワーク)は、個人的な経験からも重要だと思う。大学時代の友人2人の息子が同じ中学を受験、合格していて、様々な場面での情報交換がとても役に立っている。尚、ネットの匿名掲示板を情報収集に利用する人もいるかもしれないが、ああいうものには手を出さないことだ。

 とこう書いてみて、やはり言うまでもないことばかりかもしれない。なかなかアドバイスというのは難しいものだ。

 しかし、家庭の文化資本、社会関係資本の維持、再生産に中学受験が大きく関わっていることも事実だ。大変だろうが、頑張ってください。

 

2011年2月19日土曜日

『夜露死苦現代詩』(都築響一 新潮社)

 この週末読んだ本だ。

 村上春樹『雑文集』に紹介されていて興味を持ったのだ。また『ヤンキー文化論序説』や『地球のはぐれ方』で著者を知っていたこともある。

 読んでみて、なるほど村上春樹が著者を「サブカルの山頭火」と評したのも分かる気がした。面白さを説明する言葉は的確で説得力がある。異才の持ち主だと思う。

 ここで取り上げられている様々な現代詩、というか詩的言語-寝たきり老人の独語、暴走族の特攻服の刺繍など-がマイナーな場所で名も知れず生きている様には、何ともいえない感慨を覚えるのではないか。

 

2011年2月13日日曜日

『邪馬台国の滅亡』(若井敏明 吉川弘文館)

 最近読んだ本だ。これも、井上章一が昨年のベスト3に挙げていて、前から読もうと思っていたのだ。

 古事記、日本書紀を読み込んだ邪馬台国九州説なのだが、なかなか説得力がある。最近、大和の纒向(まきむく)遺跡が発見され、卑弥呼の宮殿かとマスコミに取り上げられている。しかし、その様子は古事記、日本書紀が伝える崇神、垂仁、景行の宮殿を想起させる。つまり纒向は初期大和政権の本拠地だったのではないかと、著者は考えている。

 倭国は九州北部の小さな地方政権で、これが女王国として中国へ伝えられたというのだ。

 個人的には、畿内説が有力と思ってきたのだが、これを読んで少しあやしいのではないか、とも感じた。この論争はまだまだ続くのだろうか。 

2011年2月6日日曜日

2月の読書

 最近読んだ本だ。

1.『村上春樹 雑文集』(村上春樹 新潮社)
2.『謎解き 太陽の塔』(石井匠 幻冬舎新書)
3.『岡本太郎という思想』(赤坂憲雄 講談社)

 1は未発表のエッセイや挨拶、解説などをまとめたものだが、非常に読み応えがあり楽しめた。著者はちょうど小説と小説の間の「農閑期」とのこと。そのためこうした本の編集ができたのだろうが、何度も書いていることだが、R・チャンドラーの翻訳も是非、進めてほしいと思うのだ。

 2は日経新聞日曜の書評で取り上げられて、面白そうなので読んでみた。結論はともかく、全体的にはまあまあ納得できた。太陽の塔には、昔から妙に関心があるのだが、何故だろうか。3はそれに関連しての本。