2007年7月21日土曜日

夏のブックパーティー

 夏になると、出版社各社が「夏の100冊」などといった文庫フェアを行う。最近は新潮文庫、角川文庫、集英社文庫の3社が行ってるが、少し前はハヤカワ文庫が「夏のブックパーティー」を行っていた。これが好きで小冊子を集めていたのだが、最も印象に残っているのが1995年の解説目録に載った「十代の頃の夏」(夏目房之介)だ。

 この「夏のブックパーティー」も2002年からは「秋のHOT HIT100」に変わってしまった。やはり文庫フェアは夏でないと気分が出ないような気がするのだが、そう感じるのは私だけだろうか?

 さて今年は、角川文庫の『数学物語』(矢野健太郎)・『知っておきたい日本の神様』(武光誠)、新潮文庫の『車輪の下』(ヘルマン・ヘッセ)・『金閣寺』(三島由紀夫)・『ゲーテ格言集』(ゲーテ)・『銀河鉄道の夜』(宮沢賢治)を買った。まあブックカバー欲しさということもあってだが。

2007年7月15日日曜日

予備校による塾の買収

 「四谷大塚」といえば老舗の中学受験塾だが、大手予備校「東進ハイスクール」を展開するナガセによって2006年10月に買収された。小学校の時京都の塾に行っていたのだが、その頃から四谷大塚は有名だった。そういえば昔は結構知られていた桐杏学園も学研に買収されたとのこと。教育産業の分野でのM&Aが最近盛んだ。

 懐かしくなって少し調べたのだが、四谷大塚の公開模試「合不合判定テスト」はサピックスが参加するためか、今は難関中学の合格者が多い。今後はどうなるだろうか。

 例えば、最近のデータで312名が進学した某中学では、①四谷大塚公開模試受験者が180名進学、②日能研85名進学、③首都圏統一模試受験者が68名合格となっている。受験生はこの3つの公開模試のどれかを受けていると考えてよいだろう。

 日能研生で①や③を受けているのもいるだろうし、③は進学者ではないので、合計は333名と21名多くなっている。尚、①の中でサピックスが100名位いるので塾別ではトップだ。
 ③を受けている代表的な塾は市進学院で合格者は16名。その他で52名もいるのだがこれは①、②とのダブリがいるためだろうか。よく分からん。

 もう何年かすると、この状況もかなり変化すると予想する。日能研、サピックスもどこかに買収されるかもしれない……

2007年7月14日土曜日

『少子社会日本』

 最近読んだ本で面白かったのが『少子社会日本』(山田昌弘 岩波新書)だ。

 山田昌弘氏についての「現実から逃げ「夢」にすがるという若者像について、現代の若者の実態・彼らの直面している状況について理解があまりに浅いものではないかという批判もある。」という意見(本田由紀氏による「希望格差社会」書評)はちょっと違うだろうと言いたい。山田氏の明快で論理的な主張に共感するところが多い。

 蔵書を確認すると、あと4冊あった。『結婚の社会学』、『パラサイト・シングルの時代』、『希望格差社会』、『新平等社会』。どれも興味深く読んだ。

 あと教育社会学関係で興味がある著者は苅谷剛彦氏と竹内洋氏だ。2人とも教育社会学者だが昔から愛読している。

2007年7月2日月曜日

小谷野敦氏について

 前回に続き、小谷野敦氏について記す。

 彼は、私とほぼ同世代であり、デビュー時から割と注目していた。まあ性格に色々問題がありそうで、近くにいると結構(いやかなりか)嫌なタイプかもしれないが、著作を読む分にはなかなか面白く愛読している。

 さて、彼は埼玉の公立中学から海城高校、1浪後東大に入っている。高校時代は嫌なことが多かったらしく『中学校のシャルパンティエ』に次のように書いている。「首都圏とはいえ田舎の公立中学と、中高一貫制の東京の私立ではレベルも違い、(嫌なことの多い)現実から逃避するように小説ばかり読んでいた私の成績はまんなかより下をうろうろしていた。……父は「いい学校の生徒は性格悪いからな」とぽつりと言った。」

 当時の海城高校の東大合格者は「5,6人だった」(『すばらしき愚民社会』単行本)そうだから、浪人中にかなり頑張ったのだろう。「高校を卒業して予備校に通うようになったが、ほんとうに、それは、天国のようだった。」(『中学校のシャルパンティエ』)という文章には実感がこもっている。但し、「まんなかより下をうろうろしていた」というのは大げさで、国語、英語はかなりできたのだと感じる。

 私は高校時代別に学校が嫌だったわけではないが、予備校でかなり頑張って大学に入ったのは同じで、まあこういった所に共感してしまうのだ。