2009年8月30日日曜日

『世界は分けてもわからない』 福岡伸一

 この週末は福岡伸一『世界は分けてもわからない』を読んだ。もっと前に買おうと思っていたのだが、8月末になってしまった。

 期待通り面白かったのだが、特に印象に残ったのが、「ランゲルハンス島(膵臓にある)」と「ソルビン酸(保存料)」の話だった。
 
 これを読んで、村上春樹『ランゲルハンス島の午後』を久しぶりに読み直したのだが、生物の教科書を忘れて家に取りに戻ったこの話は、すっかり忘れていた。まあ読んだのは、もう20年以上前のことだからだろうか。

2009年8月23日日曜日

夏の旅行

 21日から23日まで、家族で盛岡に行ってきた。この時期の盛岡は湿度が低く、最高気温も26度くらいと快適だった。

 小岩井農場に足を延ばしたのだが、この「小岩井」という名前は、3人の創業者(小野、岩崎、井上)の頭文字からつけたのは初めて知った。

 また、羊館で羊の歴史を詳しく知ったのだが、『羊をめぐる冒険』(村上春樹)を思い出したりして、とても興味深かった。

 いくつか写真をアップしよう。(小岩井農場2枚、北上川と岩手山)






 

2009年8月14日金曜日

「ロテスリー・レカン」のことなど

 今日は家族で、銀座の「ロテスリー・レカン」でランチを食べた。お盆で空いているかと思ったのだが、ほぼ満席だった。人気があるのだろう。

 ここは、銀座レカンの姉妹店だが、カジュアルな雰囲気で本格フレンチを愉しめる。

 曇っていて蒸し暑い日だったが、銀座は賑わっていた。観光客らしい外人もいた。今思い出したが、去年のお盆にも銀座に出かけている。このブログにも書いていた。

 料理はというと、私が選んだメインは美味しかった。「あいなめ、天然海老、帆立貝のムニエル 八甲田高原乾燥とうもろこしのリゾット添え クレームドシャンピニオン」だ。

 店と銀座の写真を貼っておこう。





 



 

2009年8月12日水曜日

『裏声で歌へ君が代』と最近話題の事件など

 今日はお盆で休みだ。久しぶりに『裏声で歌へ君が代』丸谷才一著を読んだ。読み応えのある長編をゆっくり読むのは良いものだ。

 この小説では国家論が様々に議論されるのだが、その中にこういう意見が出てくる。

 「民衆が、民衆を、民衆のために統治する民主主義は、結局のところ大衆社会というものにいきついてしまうでしょう。大衆社会とは、一言で言えば、あくどい娯楽を民衆が待ち望んでいる社会です。…(中略)治めることと治められることを同一人物が2つするというのは話に無理があります。…古代的な、少数者による政治のほうが、うまくいくような気がします。」

 最初に読んだ時から、ここは印象に残っていた。後半はともかく、前半はそういう一面があることを否定できないと思う。

 最近の、世間を賑わせている事件はそのよい例ではないだろうか。いや個人的には、この事件ではピエール・ブルデューのいうハビトゥスや文化的再生産を強く感じたのだが。

2009年8月11日火曜日

『東京スタディーズ』のこと その2

 前回に続き、『東京スタディーズ』の「郊外を切り裂く文学」についての感想を書こう。

 この中で石原千秋氏は、住んでいる地域にある3つの小学校について次のように言う。(一部表現を変えている。なおB、C小学校がニュータウン内にある。)

 「地元住民が通学する平地にあるA小学校、主に賃貸住宅の住民が通学する丘の中腹のB小学校、主に分譲マンションと戸建て住宅の住民が通学する丘の頂上にあるC小学校がある。その学区がみごとにバームクーヘン型に区切られていて、学力も土地の高低と比例している。階層、学歴、収入、成績、そういった様々な要因がこの学区を規定している。」

 著者は、同じニュータウンにある賃貸マンションから中古マンションを購入して移っている。つまり丘の中腹から頂上へ移動した訳だ。

 しかし、小学校の学力差について明確に分かるものだろうか?これが書かれた時は、まだ学力テストは実施されていなかったし、いや実施されても学校毎の平均点は公表されないはずだ。教育委員会に知り合いがいたのだろうか?「学力が土地の高低と比例している。」と言い切っているので根拠はあるのだろうが、少し腑に落ちない感じがする。

 まあ著者の息子は桐朋中学に入っているのだが、しかしそんなに「バームクーヘン型」にきれいに分かれているものだろうか?という気はするのだが。
  

2009年8月9日日曜日

『東京スタディーズ』など

 この週末は、『東京スタディーズ』(吉見俊哉・若林幹夫編著 紀伊國屋書店)を読んだ。

 この中に収録されている石原千秋氏の「郊外を切り裂く文学」が面白そうだったからだが、読んでみて、それなりに楽しめた。

 「屹立する郊外」-都心に建つ超高層マンションのこと-については、あまり書かれていなくて残念だった。『郊外の社会学』(若林幹夫)に言及があり期待していたのだ。

 印象に残ったのは、著者が出かける地元の秋祭りについてだ。住んでいるニュータウンの納涼祭は隅々まで明るく「祭り」には似合わない、地元の祭りは適度に暗さがあって良いと書いた後に次のように言う。

 「僕たちが営む生活が身体によって生きられている以上、暗さは是非必要なものだ。身体は明るさも暗さも内包する一つの小宇宙だからだ。ポストモダンと呼ばれた時代の建築の多くが空間の中に暗さを演出したのは、こういう理由があったのだろう。」

 ここでの身体論は市川浩を参考にしているのか?よく分からないが、ポストモダン建築は、まあその通りかもしれない。
 

2009年8月2日日曜日

日経新聞 文化面 十選シリーズ

 今度は、文化面に連載されている十選シリーズのことを書こう。

 このシリーズも-カラーになってからは特に-愛読しているのだが、先月の「海辺の情景 十選」はなかなか良かった。

 浅井慎平の写真「SANTA MONICA 1982」やヘンリー・ミラーの絵が特に印象に残った。

 また最近、この十選シリーズでマティスが登場すると、切り抜いて保存しているのだ。まだ3点だが、これから増えるのが楽しみだ。

2009年8月1日土曜日

日経新聞 「私の履歴書」

 日経新聞の「私の履歴書」を長年愛読している。全ての月を熱心に読んではいないが、これまで印象に残っているのは、白川静氏(1999年12月)、水木しげる氏(2003年8月)、北杜夫氏(2006年1月)、篠原三代平氏(2009年6月)あたりだろうか。

 自慢話が多少鼻につく、という月は流し読みをするのだが、先月の加山雄三氏もそういう感が少しあったような気がする。まあ数多いファンの方は、堪能されたのだろうと思うが。

 ところで、今月は芦田淳氏だ。この方も、もちろんファンが多いだろう。どうなるかは分からないが、初回を見ると、何やらいやな予感がしないではないが…。

高校野球 大阪7強のこと

 今、高校野球は地方予選をやっている。もうあまり興味は無いのだが、今日大阪予選が決勝だったので、昔の大阪7強のことを思い出した。

 大阪7強とは、小学校の頃の大阪の強豪のことで、次の7校だ。

1.北陽(現 関大北陽)
2.大鉄(現 阪南大高)
3.PL学園
4.興国
5.浪商(現 大体大浪商)
6.近大付
7.明星

 春・夏の甲子園で、北陽と大鉄は準優勝が最高だが、他の5校は全て優勝経験があるのだ。こうしてみると、3校が校名が変わっている。最近は、大阪桐蔭とか履正社、金光大阪などが強豪で勢力図も大分違っている。

 甲子園の試合では、何となく関西勢を応援してしまうのは、こうした記憶があるためだろうか…。