2010年1月31日日曜日

竹内洋 やさしい経済学

 1月18日から日経新聞に連載されていた竹内洋氏の「日本型大衆社会の誕生」が面白かった。

 最近、テレビ文化人が妙に目立つようになってきたなという印象があったのだが、竹内氏の分析によると、

1.知識人やテクノクラート(官僚・経営者)は、それぞれ若者・革新大衆と実務人・保守大衆をサポーターとして棲み分けていた。しかし、知識人の普遍知とテクノクラートの専門知もそれ自体では権力性を持ちにくくなり、大衆感覚にたっぷり浸し、濾過しなければならなくなった。

2.このため、これまでは知識人やテクノクラートの知の配信者であり、二流の文化人という役どころだったテレビ文化人が屹立し始めて、大衆的お墨付きを後ろ盾にして、独自の存在となった。彼らこそメタ(高次の)大衆の表象=代表だからである。

3.知識人もテクノクラートも、テレビ文化人化することなしには、影響力の行使もままならない。大学は文化人化したスポーツ選手や芸能人を客員教授に招き、審議会はテレビ文化人を指名する。

4.しかし、そうした所作で知識人とテクノクラートは自らの足場を崩し、彼らの憂鬱は増すばかりとなった……。

 ということになる。この鋭い指摘はさすが竹内氏だ。これ以外にも、事業仕分けが中世の顕示的公共性の再現だとか、匿名化した誹謗中傷の書き込み(2チャンネル等)は、仮想空間での群集の氾濫であるなど、なるほどと思わせるものがあった。

2010年1月17日日曜日

センター試験

 昨日、今日はセンター試験だった。今年も昨年と同じく英語、国語(現代文のみ)を解いてみた。

 結果は英語170点(200点満点)、国語85点(100点満点)だった。昨年(175/81)とそう変わらないか。

 英語は難しくないのだが、日経新聞の文字が小さくて、読むのに時間がかかったこともある。(これは言い訳だが。)

 それにしても、55万人が受けるとはすごい試験だ。現役が約80%で、高校生の約4割が受けていることになる。

 しかし、昔は新聞の小さい文字を読むのは苦にならなかったのだが。これも年を取ったため?でしょうか。

2010年1月11日月曜日

洛星中学・高校のこと

 この正月に、母校の同窓会会誌を実家から持ってきた。(住所が古いままだったのだ。)

 久しぶりに読んだのだが、現役生はなかなか頑張っているようで安心した。大学進学情報をみると、最近は4分の1が医学部を受験するらしい。

 昔から医学部志望者は多かったが、ここまでの割合ではなかった気がする。まあ全卒業生の10%は医者という話だし、医者の息子が多いからでしょうか。

 そういえば同窓会で毎年夏に「東京の集い」というのがあるのだが、久しく参加していない。今年辺り出席してみようかな。
 

2010年1月10日日曜日

桂離宮のこと

 昨日、NHKハイビジョンで桂離宮の番組をやっていた。録画して見たのだが、とても良かった。

 桂離宮については、井上章一『つくられた桂離宮神話』ぐらいしか知らなかったのだが、是非参観したいと思った。

 回遊式庭園、建物(古書院、中書院、新御殿)は当時の文化(粋、綺麗)の頂点を示すものだろう。今は宮内庁が管理しているが、末永く保存して欲しいものだ。

明治神宮、テオブロマのことなど

 今日は昼から妻と明治神宮に行ってきた。昨年もこの時期に参拝している。今年は例年より混んでいた。やはり不況だと神頼みが多くなるのだろうか?

 今年も清正井(清正の井戸)に行こうと思ったのだが、何と5時間待ち!!とのことで止めた。何でも昨年末にTVで紹介されて以来、運気が上がる場所としてすごい人気らしい。

 まあどうでも良いのだが、新年早々うんざりする出来事ではある。1、2ヶ月すると元に戻るだろう。そのころ行くことにしようか。

 その後、代々木公園まで歩いて「テオブロマ」でお茶をしてきた。ここが本店らしい。店内は混んでいたが、幸いテーブルが空いていた。ここのチョコレートはとても美味しくて、妻は広尾の店に時々行っている。

 明治神宮とテオブロマの写真をアップしよう。





 



 

2010年1月4日月曜日

冬の京都(南禅寺、永観堂、ル・グランマーブル)

 12月30日は家族で京都に行った。帰省の途中に寄ったのだが、南禅寺、永観堂などを散策した。

 年末ということもあり、どこも空いていた。はやし屋で昼食をとった後、南禅寺に行った。ここでは天授庵の庭が印象に残った。禅寺の枯山水(水の無い庭。石や砂で山水を表現する)は、冬に見るのが良いものだ。

 永観堂は、紅葉とみかえり阿弥陀が有名だが、いつもは混んでいるこのお寺も空いていた。しかし、阿弥陀堂までの階段は勾配が急で、お年寄りには大変だろうと思う。エレベータ設置らしい工事中だったが、なるほどこれは必要でしょう。

 南禅寺の天授庵と永観堂、そしてル・グランマーブル(ここのパンが妻のお気に入りだ)の写真を貼ろう。




 

2010年1月1日金曜日

年末の読書-マイケル・イネスなど

 新年明けましておめでとうございます。 

 この年末は『ある詩人への挽歌』(マイケル・イネス)を読んだ。この本-現代教養文庫-は大分前に買ったのだが、読んでいなかったのだ。

 『探偵たちよ スパイたちよ』(丸谷才一編)を久しぶりに読んだのだが、その中にイネスについて書かれていたので、思い出したのだ。

 舞台はスコットランドの田舎にある城だが、雪深いクリスマスの、荒涼とした風景が目に浮かぶ描写は見事なものだ。こうした重厚なミステリは、まとまった休みでないと手に取る気にはなれない。

 まあこうした本はなかなか売れないだろう。現代教養文庫も今は無い。ハヤカワ文庫には是非頑張ってほしい、そしてイネスの本も出して欲しいと思っているのだが。