2008年10月19日日曜日

『できそこないの男たち』福岡伸一

 この本は発売日に買った。SRY遺伝子については、かすかに記憶があったのだが、研究者達の激しいレースはとても面白かった。

 それにしても、福岡氏の文章力はたいしたものだ。こんなに分かりやすく書ける技術者は、他にはいないだろう。

 また、Y染色体の旅路の話も興味深かった。人類の祖先は、十数万年前にアフリカで誕生したのだが、そこからどのように世界に広がって行ったかというのは初めて知った。
 日本人はD2型が最も多いとのことだが、自分が何型か簡単に分かるようになって欲しいものだ。

 この著者には今後も期待したい。才能を生かした著書をこれからも出してくれるでしょう。

明治神宮 清正井

 昨日は、明治神宮の中にある清正井(きよまさのいど)に行ってきた。某TV番組でここがパワースポットだと紹介していたのだ。妻と一緒に行こうと思ったのだが、結局一人で行った。

 行ってみると、なかなかの雰囲気で、何ともいえない気に満ちている感じがした。ここは昔、下屋敷を構えていた加藤清正が掘ったとされる井戸で、水質が良いことで知られていたらしい。(今は飲用できない。)

 写真を撮ったので貼ろう。パワーを感じられるだろうか。

2008年10月13日月曜日

早川書房のこと その2

 9月20日にも書いたのだが、「秋のHOT HIT 100」はやっていない。今年は「強い物語」というフェアを実施している。

 この小冊子をもらったのだが、例年のようには力が入っていない。なんとも寂しい限りだ。

 そこで、前回に続いて夏のブック・パーティーの冊子を貼っておこう。これも気に入っている1998年と1999年のものだ。1999年の「今年の夏はハヤカワしちゃおう」というコピーは名作だなあ。江口寿史氏イラストの表紙がとても懐かしい…というのは前回書いたか。


 

2008年10月12日日曜日

『反社会学講座』など

 先週は、『反社会学講座』(ちくま文庫)、『つっこみ力』(ちくま新書)を読んだ。著者は2冊ともパオロ・マッツァリーノだ。
 
 著者の経歴は不明だが、どう考えても日本人の社会学者だろう。割と地方の大学に勤務している…という感じがする。ちょっと屈折しているのだろうか。

 「ふれあい大国ニッポン」など面白いのもあったが、全体的には今一歩だ。匿名で言いたいように言うのは、ネット上だけにして欲しいものだ。まあそんな本を買ってしまったのはこちらなのだが。

2008年10月5日日曜日

羽生名人のこと

 2度目の7冠王のチャンスがあった羽生名人だが、残念ながら王位戦で深浦に負けてしまった。これで2年連続して最終局(7局目)で負けたことになる。

 最近、羽生名人と対戦成績がほぼ五分なのは深浦だけだ。なぜだか分からないが、まあ相性がよいのだろう。

 つい先日、羽生名人は棋王戦で久保に負けたので、これで今年度の挑戦は竜王戦だけになった。勝てば永世竜王になり、7冠全て永世称号を持つことになる。

 そういえばNHKハイビジョンの「100年インタビュー」でも、竜王戦への決意を語っていた。

 渡辺竜王は最近調子がよくないが、この勝負は気合が入るだろう。ブログではトラブル?があったが、彼も勝てば永世竜王だ。好勝負を期待したいものだ。

2008年10月4日土曜日

新井潤美氏のこと

 先週は『自負と偏見のイギリス文化』(新井潤美 岩波新書)を読んだ。

 ジェイン・オースチンの作品を手がかりにして、イギリス人のユーモア感覚、階級意識、恋愛感を論じた本だが、なかなか面白かった。実はジェイン・オースチンはまだ読んだことがないのだ。是非今度買ってみよう。

 著者の新井潤美氏は同年代だ。蔵書を探すとあと2冊あった。いずれもイギリスの階級についてのものだが、とても感心した記憶がある。

・『階級にとりつかれた人びと』(中公新書)
・『不機嫌なメアリー・ポピンズ』(平凡社新書)

 後者は、何故か帯に「小谷野敦氏推薦!!」とある。そういえば専攻が同じなのか。
 このような、才能ある学者には今後も期待したい。