2011年1月15日土曜日

1月の読書など

 今月読んだ本のことを書こう。

1.『宗教で読む戦国時代』(神田千里 講談社選書メチエ)
2.『夜想曲集』(カズオ・イシグロ 早川書房)
3.『サンキュー・ジーヴス』(P・G・ウッドハウス 図書刊行会)

 1は、井上章一が日経新聞書評で昨年のベスト3に挙げていた本の1冊だ。非常に読み応えがあり、戦国時代の宗教史のものでは白眉だろう。日本的な「天道思想」と、一向一揆の弾圧、キリスト教禁教などの背景の分析が鋭い。3は相変わらず面白くて、ストレス解消になるのだが、これでウッドハウスの刊行されている本は殆ど読んでしまった。まあ毎年1冊は刊行されそうなので期待しよう。

2011年1月10日月曜日

初詣-明治神宮-など

 1月9日は、午前中に妻と明治神宮に行ってきた。最近、初詣は明治神宮に行くことが多い。

 風もない暖かな晴れの日で、気持ちよく参拝することができた。清正井に寄ろうと思ったのだが、昨年同様すごい行列で止めにした。相変わらずの人気だが、いつまで続くのでしょうか。

 写真を撮ったのでアップしておこう。


2011年1月3日月曜日

冬の京都-はやしや-など

 年末に帰省した際、いつものように家族で京都に行った。三条大橋付近の「はやしや」で昼食をとった後、銀閣寺に行く予定だったのだが、あまりに寒くまた雨が降ってきたこともあり、銀閣寺はキャンセルした。

 翌日は雪になったので、まだこの日は良いほうだったかもしれない。「はやしや」で茶そばと葉茶ごはんなどを食べながら、鴨川や比叡山を見るのが、帰省した時の楽しみなのだ。

 「はやしや」からの比叡山方面と、三条大橋からの鴨川の写真を貼っておこう。


正月の読書  『私を離さないで』

 明けましておめでとうございます。

 この正月は、カズオ・イシグロの『私を離さないで』を読んでいた。この著者の作品は、これ以外全て読んでいるのだが、(『日の名残り』が最も気に入っている)『充たされざる者』、『私たちが孤児だったころ』がいまひとつ面白くなかったこともあり、これも読んでいなかったのだ。

 村上春樹が「ノックアウトされた」とあるインタビューの中で発言していて、期待していたのだが、その期待通り私も「ノックアウトされた」といっておこう。土屋政雄氏の訳がまた素晴らしい。

 最後の方、キャシーとトミーがマダムに会いに行くところは、展開は全く異なるが映画「ブレードランナー」のロイ・バティとタイレルの面会を少しだが想起させる。また『日の名残り』でもそうであったように「自分に与えられた運命を受け入れる」という世界観というか人生観-これは著者もどこかで語っていた-が根底にあるのだろう。

 抑制の利いた文章で語られる、魂のこもったこの作品は『日の名残り』と共にカズオ・イシグロの最高傑作だろう。まだカズオ・イシグロを読んでいない方には、この2作をお薦めしたい。