2011年3月20日日曜日

3月の読書その2

 前回に続いて最近読んだ本のことを書こう。

1.『ディスタンクシオンⅠ、Ⅱ』(ピエール・ブルデュー 藤原書店)

2.『若き日の友情-辻邦生・北杜夫 往復書簡』(新潮社)

3.『女子校育ち』(辛酸なめ子 ちくまプリマー新書)

 1と2は震災前、3は震災後に読んだ。1はなかなか面白いのだが、最近はフランスの状況が変わっていないのか興味のあるところだ。名門グランド・ゼコール出身者が相変わらず幅を利かしているのだろうか。サルコジ大統領など見ていると、変化している気もするが。

 2は書簡集の名著だろう。昔愛読していた『どくとるマンボウ航海記』や『どくとるマンボウ青春記』を思い出した。『航海記』の、パリで辻氏を訪ねる場面は今でもよく覚えている。また、『青春記』で仙台(東北大医学部時代)から北氏が辻氏に出した、太宰治を模した文体での手紙(本書にも収録)も印象に残っている。

 辻氏の『安土往還記』や『背教者ユリアヌス』もまた読んでみようと思うのだ。

 3は、ストレス解消のために買ったのだが、まあまあ面白かった。自身がJG(女子学院)出身で、祖母、母、妹も女子校出身という女子校一家に育った著者ならではの鋭い分析がある。後編として「男子校育ち」の本も書いて欲しい。

 今日は暖かく、穏やかな一日だった。今回の地震で被災された方々には、心よりのお見舞いを申し上げます。

2011年3月5日土曜日

3月の読書とホルショフスキーなど

 最近読んだ本のことを書こう。

1.『137-物理学者パウリの錬金術・数秘術・ユング心理学をめぐる生涯』(アーサー・ミラー 草思社)

2.『妄想かもしれない日本の歴史』(井上章一 角川選書)
3.『ハゲとビキニとサンバの国』(井上章一 新潮新書)

 1は週刊文春の立花隆の書評にあったので読んでみた。読み応えはあるのだが、期待していた程面白くはなかった。

 2と3はまとめて読んだのだが、井上章一氏の著作はハズレが殆どなく楽しめる。3ではブラジルの音楽の章で、ボサノヴァやヴィラ=ロボスのことが出てくる。

 そういえば、ヴィラ=ロボスのピアノ曲を最近聴いていないと思って、ホルショフスキーのCD「カザルス・ホール・ライヴ'87」を取り出してきた。伝説のステージなのだが、ここに2曲入っている。

 カザルス・ホールが閉鎖されたのは残念だなあ、などと思いながらホルショフスキーの素晴らしい演奏を久しぶりに堪能したのだ。

将棋 A級順位戦のことなど

 3月2日は将棋のA級順位戦の最終局(一斉対局)だった。毎年、NHKのBSで放映されるので、録画して週末に見るのを楽しみにしているのだ。

 今年は、挑戦者争い(森内と渡辺)もさることながら、降級者争いに5名が絡むという、これまでにない熾烈な戦いだった。

 結果は、森内が挑戦、木村と藤井が降級となったのだが、最後まで残った森内ー久保戦はまさに死闘だった。久保は負けると降級の可能性があり、投了してもおかしくない場面から、驚異的な粘りを見せていた。最後は負けたのだが、こうした対局をみると、やはり将棋の華は順位戦だなと感じてしまう。

 ところで、息子の同級生に奨励会員がいるのだが、なかなか頑張っているようだ。棋士になることができれば凄いが、奨励会では三段リーグを突破するのがとても大変なのでどうなるでしょうか……。