少し前なのだが、ジョン・ル・カレの『ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ』の新訳を読んだ。
キム・フィルビー事件に想を得たスパイ小説としては、グレアム・グリーンの『ヒューマン・ファクター』と双璧だろう。
細部の描写を積み重ねて、じっくり話が進んでいくこの作者の手法が、二重スパイの話によくあっている。何度読んでも堪能できる小説はなかなか無いが、この作品は数少ない中の一つだ。
この小説を映画化した「裏切りのサーカス」は見ていない。スマイリー役の俳優が今一つイメージと違う気がしたからなのだが、いずれ機会があればDVDで鑑賞してみようか。
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