2007年6月23日土曜日

グレアム・グリーン

 朝、妻と等々力紀ノ国屋の朝市に行った。朝市はいつも混んでいるのだが今日はそれ程でもないように感じた。昼からグレアム・グリーンの『ヒューマン・ファクター』を久しぶりに読んだ。個人的には、これがスパイ小説のNo.1だ。

 スパイ小説で3冊挙げろといわれたら、あと2冊はジョン・ル・カレの『スクールボーイ閣下』と『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』を入れたい。『スクールボーイ閣下』は村上春樹が昔「ハッピーエンド通信」で激賞していたのを思い出す。

 まあそれはよいとして、グレアム・グリーンであと好きなのは『事件の核心』だ。少し長いが印象に残った所を以下に記す。

 黒人の少年がジンを持ってくると、ウィルソンはできるだけゆっくりと飲んだ。というのは、暑くてむさくるしい部屋に帰れば、小説でも読むしかなかったからだ。それとも、詩でも読むか。ウィルソンは詩が好きだが、ただし薬のようにこっそりのみくだすのだ。どこへ行くときも『ゴールデン・トレジャリー詞華集』を携えていて、夜になってから少しずつ服用する… 一つまみのロングフェロー、一つまみのマコウリー、一つまみのマンガン。「語り続けてくれ、天才を浪費し、友人に裏切られ、恋に偽られた物語を…」。彼の趣味はロマンチックだった。

 昔イギリスに留学していたとき『ゴールデン・トレジャリー詞華集』を探したが見つからなかったことを思い出す。

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