2008年7月5日土曜日

井上章一、村上春樹、大澤真幸、見田宗介

 この前に引き続き、タイトルは最近読んだ本の作者だ。

『阪神タイガースの正体』(井上章一 ちくま文庫)
 これは単行本を購入しようと思っていたのだが、買いそびれていたのだ。野球文化史としては画期的な著書だろう。中学・高校の先輩の井上氏には、これからも活躍して欲しいと思う。絶版になった『「あと一球っ!」の精神史』をなくしてしまってガッカリしていたのだが、この本があって良かったよ。

『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』(村上春樹 新潮文庫)
 単行本の時に立ち読みをしていたのだが、買っていなかった。この中で最も気に入ったのは、アイルランドのロスクレアのバーでの老人の話だ。これを読んで、アイリッシュ・ウイスキーが飲みたくなる読者は多いだろうと思う。また、スコットランドのアイラ島の話を読むと、やはりウィスキーはシングル・モルトだと思ってしまう。どちらもとても美味しそうに書いてあるのだ。

『不可能性の時代』(大澤真幸 岩波新書)
 日経新聞の書評(評者は東浩紀)をみて買ったのだが、なかなか面白かった。特に「リスク社会再論」を興味深く読んだ。しかし、最後に「未来の<救済>への展望」としてネットワーク理論(グラフ理論)が出てくるところは少し無理があるような気がした。


『社会学入門』(見田宗介 岩波新書)
 『不可能性の時代』で何度か引用されていたので買ったのだが、これは期待したほど面白くなかった。まあ基本テキストとしては良いかもしれないが。尚、大澤真幸は東大見田宗介ゼミの出身だ。

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