2009年2月22日日曜日

井上章一『日本に古代はあったのか』

 これは先週、読んだ本だ。

 日本に古代はなく、有史は中世史として始める。飛鳥時代も奈良時代も中性だ、という井上章一の主張は非常にユニークだが、説得力がありとても面白かった。まあ学界で受け入れられることはないだろうが…。

 中世を鎌倉時代から始め、近世を事実上江戸時代と同義とする、作者のいう関東史観に対する対抗意識は相当のものだ。

 第14章の「司馬遼太郎よ、お前もか」での作者の嘆きには同意できた。井上氏には、これからも頑張ってほしい、そうエールを送りたくなる名著だと思う。

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