2009年4月12日日曜日

『学歴分断社会』(吉川徹 ちくま新書)

 これは、先々週読んだ本だ。この中で印象に残ったのは、竹内洋氏が「ご破算型」と呼ぶ、日本の受験システムだ。

 「ご破算型」とは、大学入試で「清算」しないと、受験の途中経過(中学受験、高校受験)は有効にならないシステムをいう。以下に解説を引用してみよう。

 例えば、難関の○○中学に合格したAさんは、大学入試は失敗してあまり知られていない大学に進学したとする。そしてBさんは、地元の公立中学、公立高校を経て、一流といわれる大学に進学したとする。

 この場合、Aさんは自分の中学入試の輝かしい結果を「達成学歴」として使うことができるだろうか?逆にBさんは12歳での途中経過について、Aさんに引け目を感じることがあるだろうか?

 つまり、受験の世界での中学・高校の「ブランド力」の優劣は、「大学進学力」によって決まるのだ。

 最近私立の難関中学に入っても、早いうちから通塾する割合が高まっているらしいが、上記を考えると、分からないでもない。まあ我が家は、高2あたりから本格的にやれば良いと思っているのだが。

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