2007年7月2日月曜日

小谷野敦氏について

 前回に続き、小谷野敦氏について記す。

 彼は、私とほぼ同世代であり、デビュー時から割と注目していた。まあ性格に色々問題がありそうで、近くにいると結構(いやかなりか)嫌なタイプかもしれないが、著作を読む分にはなかなか面白く愛読している。

 さて、彼は埼玉の公立中学から海城高校、1浪後東大に入っている。高校時代は嫌なことが多かったらしく『中学校のシャルパンティエ』に次のように書いている。「首都圏とはいえ田舎の公立中学と、中高一貫制の東京の私立ではレベルも違い、(嫌なことの多い)現実から逃避するように小説ばかり読んでいた私の成績はまんなかより下をうろうろしていた。……父は「いい学校の生徒は性格悪いからな」とぽつりと言った。」

 当時の海城高校の東大合格者は「5,6人だった」(『すばらしき愚民社会』単行本)そうだから、浪人中にかなり頑張ったのだろう。「高校を卒業して予備校に通うようになったが、ほんとうに、それは、天国のようだった。」(『中学校のシャルパンティエ』)という文章には実感がこもっている。但し、「まんなかより下をうろうろしていた」というのは大げさで、国語、英語はかなりできたのだと感じる。

 私は高校時代別に学校が嫌だったわけではないが、予備校でかなり頑張って大学に入ったのは同じで、まあこういった所に共感してしまうのだ。

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