今日は祝日だ。雨で風が強く一日家にいる。最近読んだ本のことを書こう。
1.『「国語」入試の近現代史』 石川巧 講談社選書メチエ
今月初めの日経新聞書評でも取り上げられていた。(評者は石原千秋)。入試国語の研究書は少ないが、「入試現代文の生成と変容を通史的に述べた」本書は非常に面白かった。ただ、残念なのは、昭和50年代の共通一次の導入期辺りで分析が終わっていることだ。同世代の作者にはこれからも期待したい。
国語入試といえば、大学入試は500字の作文1題だった。たしか丸山真男の「盛り合わせ音楽会」を読んで感想を書くというものだったと思う。(記憶がハッキリしないので違っているかもしれない…)
別の年の作文(出題は夏目漱石の講演から)は、丸谷才一氏が褒めていたのを覚えている。(『桜もさよならも日本語』所収)。入試でどんなことを書いたかはすっかり忘れているのだが、最近は作文ではなく普通の読解問題らしい。
まあ、受験生の皆さんはどんな形式にせよ解くしかないのだ。がんばって下さい。
2.『東京奇譚集』 村上春樹 新潮文庫
最近村上氏の本は文庫でしか買わなくなってしまった。それは良いとして、この短編集で最も面白かったのは「どこであれそれが見つかりそうな場所で」だった。これを読んで、ゴーギャンの絵が見たくなってしまった。どうでもよい個人的な感想だが…
次は『ロング・グッドバイ』を読みたい。いやこれはまだ文庫になっていないか。
3.『週刊 司馬遼太郎Ⅰ、Ⅱ』 朝日新聞社
週刊朝日の連載をまとめたものだが、写真が豊富で、よく取材されていてなかなか良い。
今発売されているのはⅢなのだが、八重洲BCにはバックナンバーが積んであって買えたのだ。さすがだ…
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