2010年10月24日日曜日

『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』(文藝春秋)

 この週末に読んだ本だ。

 村上春樹へのインタビュー集なのだが、まとまったものとしてはこれが初めてだろう。

 なかなか面白かったのだが、海外のインタビュアーとは英語で行っていて、微妙なニュアンスがうまく伝わっていない場合もあるようだった。このあたりは仕方が無いのだろうが少し残念だ。

 印象に残ったのは、カズオ・イシグロを愛読していることだ(「新作が出たらすぐに買いに行って読みます。」とのこと)。まあこれは予想されることだが、実はカズオ・イシグロは日本語が「けっこう流暢に話せる。」と彼の妻から教えてもらったとあり、これには驚いた。(どこかで全く話せないと読んだことがあったのだ。)

 また、カズオ・イシグロについて、日本について書くときはまるで外国人が日本を描写しているような趣があり、英国的なもの-例えば貴族や執事-を書くとき、日本人の目を通して英国社会を見ているような趣がある、と述べている。
 これはまさにその通りであり、私も愛読しているこの作家の、この不思議な交錯する部分に引かれるという所に深く共感したのだ。

 

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