2010年10月31日日曜日

『村上春樹のなかの中国』(藤井省三 朝日選書)

 週末は、先週末に続いて村上春樹の関連本を読んでいた。

 この本の中で著者は、中国を手がかりに村上作品を分析しているのだが、『風の歌を聴け』の冒頭の一節「完璧な文章などといったものは存在しない…」が魯迅のことばに触発されたものではないかと論じている。

 これは、初めて知ったのだが、なかなか面白い指摘だと思った。

 また、村上春樹の父についても書かれているのだが、「作家村上春樹の原点に父の世代の戦争体験がある」という推察も興味深かった。

 ところで、『ミステリマガジン』の次号(11月末発売)には村上春樹訳『リトル・シスター』の抄訳が載るそうだ。ということは、発売は12月か1月だろう。随分待った気がするが、やっと出るのは喜ばしいことだ。

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