2011年2月13日日曜日

『邪馬台国の滅亡』(若井敏明 吉川弘文館)

 最近読んだ本だ。これも、井上章一が昨年のベスト3に挙げていて、前から読もうと思っていたのだ。

 古事記、日本書紀を読み込んだ邪馬台国九州説なのだが、なかなか説得力がある。最近、大和の纒向(まきむく)遺跡が発見され、卑弥呼の宮殿かとマスコミに取り上げられている。しかし、その様子は古事記、日本書紀が伝える崇神、垂仁、景行の宮殿を想起させる。つまり纒向は初期大和政権の本拠地だったのではないかと、著者は考えている。

 倭国は九州北部の小さな地方政権で、これが女王国として中国へ伝えられたというのだ。

 個人的には、畿内説が有力と思ってきたのだが、これを読んで少しあやしいのではないか、とも感じた。この論争はまだまだ続くのだろうか。 

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