2008年8月9日土曜日

最近の読書

 最近読んだ本について書こう。

.『ヒューマン・ファクター』(グレアム・グリーン ハヤカワepi文庫)

 これは新訳だが、読みやすくてよかった。フィルビー事件を題材にしたものとしては、他に『ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ』(ジョン・ル・カレ)があるが、この2作は比肩すべきものの無い名作だろう。
 随分久しぶりに読んだのだが、読むたびにJ&Bを飲みたくなるのだ。買ってみることにしようか…。


2.東大入試 至高の国語「第二問」』(竹内康浩著 朝日選書)

 東大現代文の入試に、死を主題とした文章が出題されることが多いことを手がかりに、東大現代文のエッセンスを抽出するというものだ。例えばエッセンスの一つとして、死に代表される「あちらの世界」から紋切り型の言葉や常識、既成の知、生を見直すことがある、という著者の分析は説得力がある。

 これ程知的興奮を感じる本はめったに無いだろう。とても面白かった。

0 件のコメント: