最近読んだ本について書こう。
1.『ヒューマン・ファクター』(グレアム・グリーン ハヤカワepi文庫)
これは新訳だが、読みやすくてよかった。フィルビー事件を題材にしたものとしては、他に『ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ』(ジョン・ル・カレ)があるが、この2作は比肩すべきものの無い名作だろう。
随分久しぶりに読んだのだが、読むたびにJ&Bを飲みたくなるのだ。買ってみることにしようか…。
2.『東大入試 至高の国語「第二問」』(竹内康浩著 朝日選書)
東大現代文の入試に、死を主題とした文章が出題されることが多いことを手がかりに、東大現代文のエッセンスを抽出するというものだ。例えばエッセンスの一つとして、死に代表される「あちらの世界」から紋切り型の言葉や常識、既成の知、生を見直すことがある、という著者の分析は説得力がある。
これ程知的興奮を感じる本はめったに無いだろう。とても面白かった。
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