2009年10月17日土曜日

『やがて哀しき外国語』 村上春樹

 この週末読んだ本だ。単行本と文庫本両方あるのだが、後者にした。「文庫本のためのまえがき」もあるし、寝転がって読むにはやはり便利だ。

 この本では、「大学村スノビズムの興亡」が気に入っている。プリンストンでの「大学人かくあるべし」という規範というか暗黙の制度についてのエッセイだが、実に面白い。

 新聞はNYタイムズがコレクト(正しいこと)。ビールは輸入ビール(ハイネケン、ギネス等)がコレクト、バドワイザーとかミラーはインコレクトであり、「大学人は…クラシックでインタレクチュアルなビールを飲まなくてはならない。」ことになっている。

 村上春樹は、ローカル新聞を購読(週末だけNYタイムス)していて、ビールはバド・ドライが好きだという話をした時の反応が、いかにもという感じで楽しめる。
 
 しかしこの本を読むと、村上氏は大学で教えるのが、イメージとは逆に結構合っているのではという印象を受ける。そういえば、両親とも国語の教師という家庭で育っている(父親は、前にも書いたが、甲陽学院の先生だった)。まあ日本ではまず先生にはならないという気はするが。

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