2010年2月13日土曜日

デ・キリコ 「通りの神秘と憂鬱」

 12日の日経新聞の文化面「影のポエジー 十選」にデ・キリコの「通りの神秘と憂鬱」(選者 田名網敬一)が紹介されていた。

 この絵-キリコの代表作だ-は昔から知っていたが、1月に同じ十選シリーズの「子供の居る場所 十選」(選者黒井千次)でも取り上げていたので、印象に残ったのだ。

 そういえば、デ・キリコについては『村上春樹堂はいかにして鍛えられたか』(村上春樹/安西水丸)にも出てくる。村上氏がイタリア在住時にデ・キリコの回顧展を見に行く話で、デ・キリコのファンになったと書いている。

 この話の水丸氏の挿絵はまさにこの絵で、「キリコはいいですね」という水丸氏のコメントがある。

 「輪回しをする少女を待ち受ける細長い人影、扉の開いた荷車の影…(中略)キリコが提唱する形而上絵画とは、肉眼でとらえる世界の光景によって、潜在意識に潜むかくれた神秘性を呼び起こし、詩的、霊的な表現を目指すことである。」という田名網氏の解説は的確だ。

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