2009年8月9日日曜日

『東京スタディーズ』など

 この週末は、『東京スタディーズ』(吉見俊哉・若林幹夫編著 紀伊國屋書店)を読んだ。

 この中に収録されている石原千秋氏の「郊外を切り裂く文学」が面白そうだったからだが、読んでみて、それなりに楽しめた。

 「屹立する郊外」-都心に建つ超高層マンションのこと-については、あまり書かれていなくて残念だった。『郊外の社会学』(若林幹夫)に言及があり期待していたのだ。

 印象に残ったのは、著者が出かける地元の秋祭りについてだ。住んでいるニュータウンの納涼祭は隅々まで明るく「祭り」には似合わない、地元の祭りは適度に暗さがあって良いと書いた後に次のように言う。

 「僕たちが営む生活が身体によって生きられている以上、暗さは是非必要なものだ。身体は明るさも暗さも内包する一つの小宇宙だからだ。ポストモダンと呼ばれた時代の建築の多くが空間の中に暗さを演出したのは、こういう理由があったのだろう。」

 ここでの身体論は市川浩を参考にしているのか?よく分からないが、ポストモダン建築は、まあその通りかもしれない。
 

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