2009年7月11日土曜日

庄司薫 『狼なんかこわくない』

 この週末読んだ。何年ぶりか忘れたが、とにかく久しぶりだった。(文庫旧版が家にあるのだが、文庫新装版を買ったのだ。)

 昔-高校生の頃-庄司薫には夢中になった。『喪失』をはじめ『赤頭巾ちゃん気をつけて』などの4部作や、この『狼なんかこわくない』は何度読んだか分からないくらいだ。

 今回読んで思ったのは、解説にもある通り、これは政治学のテキストとして使えるということだ。

 また、印象的だったのは、御厨貴氏の解説にある、「東大駒場(政治学)でのゼミ合宿で『赤頭巾ちゃん』4部作を取り上げたところ、学生たちは文庫新装版ではなく、古い単行本や文庫旧版の本を家から持ってきた。また庄司薫にファンレターを出した学生の母親もいた。」というエピソードだ。

 こういう親たちの息子、娘が東大生になるという、文化資本の再生産のよい例だなと納得してしまうのだ。

 ところで、我が家にも文庫旧版は揃っているのだ。いつか息子が読む日がくるだろうか……。
 

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