2009年7月5日日曜日

遠藤周作 『肉親再会』

 この週末は遠藤周作の短編『肉親再会』を読んだ。

 石原千秋氏の本の中に、この短編の一部から出題した入試問題が載っており、原作を前から読もうと思っていたのだ。

 『最後の殉教者』(講談社)の中に入っていて、図書館で借りてきた。

 1961年に発表されており、この頃遠藤氏は体調を崩していたので、書かれたのはその前年辺りか。フランス(リヨン大学)に留学しているし、1959年には夫人とフランスに旅行しているので、パリの描写はさすがと思わせるものがある。

 「かつて生活のために芸術(絵画)を諦めた兄が、まだ俳優になる希望を捨てていない妹に会うことで、かつての自分を見つめ直す物語」(石原千秋)なのだが、この中に出てくる中世美術館-これはクリュニー美術館のことだろう-の「木彫の基督像」はとても印象に残った。

 ルーブルとオルセーは、昔留学していた時に行ったのだが、クリュニーはまだ観ていないい。いつか必ず行きたいものだが、どうなるでしょうか。

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